<知事選>参院選後で猛暑やお盆…投票率、かなり低いか 直近3回は20%台「せめて30%台後半に」
25日の知事選投開票まで1週間となり、結果とともに注目されるのが投票率だ。直近3回の知事選は、現職上田清司氏の信任投票という意味合いが強く、投票率はいずれも20%台と低迷した。今回は16年ぶりに新人同士の争いとなり、上田氏や野党4党の県組織が支援する前参院議員の大野元裕氏(55)と、自民、公明両党が推薦するスポーツライターの青島健太氏(61)ら5人が立候補。参院選直後、猛暑、お盆を挟んでの選挙戦となり、陣営関係者からは「今回もかなり低いのではないか」とか、「せめて30%台後半に」などの声が上がっている。
平成の時代に行われた知事選は7回。衆院選と同時に実施された2000年(59・19%)を除き、投票率は40%に達していない。上田氏が初当選した03年は35・80%。以降、07年が27・67%、11年が都道府県知事選でワーストの24・89%まで落ち込み、15年は26・63%と、低空飛行が続いている。
大野氏の陣営関係者は「選挙カーで遊説していても、窓を閉められている家庭ばかり。お盆が終わらないと、盛り上がらないのではないか」と本音をのぞかせる。
今回は大野、青島両氏による事実上の与野党対決、一騎打ちの様相。大野氏の陣営関係者は「上田氏が出馬していても過去3度の知事選の投票率は20%台だったのだから、急には上がらないだろう」とし、「それぞれ、お盆明けの最後の1週間が勝負と踏んでいるのではないか」とみている。
青島氏の選対関係者は「投票率が上がることに越したことはない」としながら、「参院選が終わったばかりで、猛暑とお盆を挟んでの選挙戦。街頭活動の場所によっては人の姿がほとんどなかったところもある」と率直に話す。「40%までいかなくても、せめて30%台後半まではいってほしい」と期待を込める。
告示直前には、主要候補の一人だった行田邦子前参院議員が体調不良で出馬を取りやめた。女性知事の誕生を期待していたという40代の女性は「行田氏が不出馬となった時点で知事選への関心がなくなった。投票したい候補者がいない」と冷めた様子で話した。
埼玉大学社会調査研究センター長の松本正生教授は「参院選直後、暑い中などマイナスの要因はあるが、上田氏が当選した1回目の選挙(35・80%)ぐらいはいってほしい。願わくは4割。県民の1票で新しい知事が決まる選挙だということを意識してほしい。知事が変わることによってどのような変化があるのか、選挙が終わった後も注目してほしい」と話している。