埼玉新聞

 

襲撃で男性が全治不詳の重傷…27歳強盗、裁判へ 染まった血さらに暴挙 投資で200万円損し奪ったのは6万円

  • 事件のあった郵便局の前で鑑識作業をする警察官ら=16日午後7時5分ごろ、川口市並木3丁目

    事件のあった郵便局の前で鑑識作業をする警察官ら=16日午後7時5分ごろ、川口市並木3丁目

  • 事件のあった郵便局の前で鑑識作業をする警察官ら=16日午後7時5分ごろ、川口市並木3丁目

 今年2月、中国籍の男が埼玉県川口市の郵便局に侵入し、局員2人を切り付けた事件で、さいたま地検は5日、強盗致傷容疑などで逮捕された留学生の男(27)=東京都荒川区=を同罪などでさいたま地裁に起訴した。裁判員裁判で審理される。

 起訴状などによると、男は、2月16日午後1時半ごろ、川口並木郵便局に押し入り、持っていた刃物を示し、金を要求。男性局員(47)と女性局員(35)を切り付け、現金6万円を奪ったなどとされる。男性が重傷、女性が軽傷を負った。

 県警は同日の犯行後に同市内のマンションに侵入し、住民のジャケットなどを盗んだとして、住居侵入と窃盗容疑で2月26日に男を逮捕。3月16日に建造物侵入と強盗致傷容疑で再逮捕していた。

■血で汚れた服、着替えたい 以下は逮捕時の記事(3月17日掲載)

 2月、川口市並木3丁目の川口並木郵便局で局員の男女2人が包丁で切り付けられて重軽傷を負い、現金を奪われた事件で、県警捜査1課と川口署は3月16日、建造物侵入と強盗致傷の疑いで、東京都荒川区東日暮里6丁目、中国籍の留学生の男(27)を再逮捕した。調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。県警はこれまでに川口市内で発生した窃盗事件で男を逮捕。防犯カメラの映像などから、強盗致傷事件への関与も特定した。

 再逮捕容疑は2月16日午後1時37~39分ごろの間、川口並木郵便局に押し入り、包丁のような刃物を示しながら、「お金、お金」などと脅迫。カウンターを乗り越え、40代の男性局員と30代の女性局員を切り付けるなどして、現金6万円を奪った疑い。男性局員は頭部と右手の切創で全治不詳の重傷。女性局員は左手関節の切創で軽傷だった。

 捜査1課によると、同日の強盗事件後に同じ並木3丁目地内のマンション1階の40代男性方に男が窓ガラスを割って侵入する事件が発生。県警はジャケットや帽子、バッグ(時価計約7千円相当)を盗んだとして、2月26日に住居侵入と窃盗の疑いで男を逮捕した。男は「血で汚れた服を着替えるために盗んだ」と供述し、ジャケットと帽子、バッグを着用して帰宅していたことから、変装目的で住居に忍び込み、窃取したとみられる。

 変装後にJR西川口駅まで徒歩で移動し、電車に乗り、自宅まで戻っていたことが防犯カメラのリレー捜査で判明。自宅からの押収品のほか郵便局内や現場周辺の防犯カメラ映像の精査などから、郵便局強盗への関与も特定した。

 これまでに郵便局周辺からは刃物のケースが見つかっているが、男から押収している包丁と種類が一致したという。男は「投資で約200万円の現金を失った」という旨の供述をしていて、県警は犯行に至った詳しい経緯を調べている。
 

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