<川口いじめ>元生徒をネット中傷した同級生の父、和解希望も提案なし 元生徒の母親「誠実な姿ない」
2019/08/23/00:00
川口市の市立中学校で元男子生徒(16)がいじめを受けたとされる問題で、インターネットの掲示板に元生徒の名前や中傷を書き込んだとして、元生徒側が同級生の父親(42)に90万円の損害賠償を求めている裁判の第2回弁論が22日、さいたま地裁で開かれた。
第1回弁論で父親側が「申し訳ないことをした」と、和解を希望したため、日下部祥史裁判官は父親側に和解案の提出を求めていたが、提案はなかった。元生徒側は「来年6月末までに30万円を支払う」との和解案を提示し、日下部裁判官は次回弁論の9月26日までに両者が相談するよう求めた。
弁論終了後、元生徒の母親は「誠実な反省の姿が見えないので、刑事告訴も考える。和解が成立すれば告訴はやめる。書き込まれた中傷で私たちは深く傷ついた。息子は今でもその時の痛みを忘れられないで苦しんでいる。傷ついた相手のことを考え、反省してほしい」と訴えた。
元生徒側の荒生祐樹弁護士は「和解は金銭の支払いだけではなく、謝罪と、二度としない約束を盛り込んだ内容にしたい」と話した。
元生徒側は、中学校でのいじめや顧問による暴力が原因で不登校となったのは学校や市教委の対応が不適切だったためとして市に損害賠償を求めて提訴している。
一方、ネットの掲示板で実名や中傷の書き込みがされたとして元生徒側は、発信元を訴え、これまでに2人と和解、1人と争っている。