埼玉新聞

 

ビジネスホテルを拠点、犯行繰り返す特殊詐欺のかけ子グループか 詐欺未遂の疑い、男ら4人逮捕/県警

  • 犯行グループが拠点としていたビジネスホテルを家宅捜索し、押収物を運び出す県警の捜査員ら=22日午後6時40分ごろ、東京都豊島区内

  • 県警が押収した携帯電話や名簿など=25日午後、川口署

 親族に成り済まして高齢者から現金をだまし取ろうとしたとして、県警捜査2課と川口署、蕨署、千葉県警の合同捜査本部は25日までに、詐欺未遂の疑いで、住居職業不詳のA(26)ら20代の男4人を逮捕し、さいたま地検に送検した。Aらは特殊詐欺のかけ子グループとして県内や都内のビジネスホテルを拠点に犯行を繰り返していたとみられ、県警は全容の解明を進める。

 他に逮捕されたのは、東京都葛飾区堀切2丁目、無職のB(27)、山梨県笛吹市一宮町田中、無職のC(24)、住居不定、職業不詳のD(25)の3人。

 逮捕、送検容疑は7月3~5日、東京都府中市の無職女性(87)方に次男らを装い、「重要な書類や小切手が入ったかばんをなくした」「お金を融通してくれないか」「100万円でもいいから頼む」などと電話をかけ、現金をだまし取ろうとした疑い。県警は認否を明らかにしていない。

 同課によると、女性は金融機関を訪れ、現金100万円を用意していたが、その後に50代の次男から電話があって詐欺に気付き、警視庁に届け出た。

 県警が今年、特殊詐欺事件を捜査する中で、川口市内のビジネスホテルを拠点とした犯行グループが浮上。Aら4人は宿泊客としてホテルに数日間滞在し、この期間に府中市の女性に電話をかけていたとみられる。

 県警は22日午後、犯行グループが拠点としていた東京都豊島区内のビジネスホテルを摘発。家宅捜索を行い、スマートフォン10台、携帯電話8台、都内など約1万5千人の個人情報が記載された名簿、犯行マニュアル、小型シュレッダー、現金22万円などを押収した。現場にはAとBがおり、数日間滞在していたという。

 県警は押収した携帯電話や名簿の解析を進めるなどして余罪についても調べる。

ツイート シェア シェア