埼玉新聞

 

自動運転バス運行へ 熊谷のラグビーW杯会場で 国際スポーツ催しに合わせた運行は全国でも珍しく

  • 試乗会で公道を自動運転するバス=28日午後、熊谷市の熊谷スポーツ文化公園前

 熊谷市の熊谷スポーツ文化公園内の県営熊谷ラグビー場で行われるラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の3試合と大会前の日本代表戦で、県は観戦に訪れる障害者や妊婦らの園内移動を支援するため、自動運転バスを運行する。28日に関係者を集めて試乗会を行った。

 県によると、国際的なスポーツイベントに合わせた自動運転バスの運行は全国的にも珍しいという。

 自動運転の普及などを図る県のスマートモビリティ実証事業の一環。委託している群馬大の車両1台(乗車定員36人)を「おもいやりシャトル」として運行。9月6、24、29日、10月9日の試合開始3時間前~終了1時間半後、約900メートル離れているシャトルバス発着場とスタジアム近くの駐車場とを結ぶ。

 バスは位置を測定するセンサーや信号を認識するカメラなどを搭載し、あらかじめ入力したルートに沿って時速20キロ程度で走行する。園内から公道に出た段階で運転手が自動運転に切り替え、危険や異常を察知した際は手動運転で対応する。公園周辺は当日、交通規制により一般車両は通行しない。

 この日の試乗会では、県や熊谷市の職員、メディア関係者らがバスに乗り込み、おもいやりシャトルの運行と同じルートを走行した。

 担当の県先端産業課は「W杯をきっかけに、自動運転技術を県民や県内事業者に知ってもらい、根付かせることで県経済の活性化につなげていきたい」としている。

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