埼玉新聞

 

大野元裕知事が初登庁、日本一暮らしやすい埼玉目指す 現場主義を重視、大野県政が本格的にスタート

  • 初登庁し職員から花束を受け取る大野元裕知事=2日午前9時ごろ、県庁

 8月25日投開票の知事選で、立憲民主党など野党4党の県組織の支援を受け初当選した大野元裕氏(55)が2日、さいたま市浦和区の県庁に初登庁し、大野県政が本格的にスタートした。

 大野知事は知事就任式で「埼玉県の未来を切り開くためには即戦力、突破力を発揮し、果敢にチャレンジしていく必要がある。目指すのは日本一暮らしやすい埼玉。皆さんと一緒に未来への責任を果たしたい」と呼び掛け、就任記者会見では「県民のために働き、県民目線で県民の声を実現していく姿勢を貫く」と語った。

 同日午前、初登庁した大野知事は知事室の机で就任署名書にサインした。記者団から椅子の座り心地を問われた大野知事は「課題は山積している。この机に(長時間)座っている知事にはなりたくない」と答えた。大野知事は「現場主義」を重要視している。

 特別職や部長ら27人の幹部職員が顔をそろえた午後の幹部会議で大野知事は「10年後の埼玉県のビジョンを示していきたい。幹部には職員に対してビジョンと目標を説明し、共有する役割を担っていただきたい」と伝え、課長級以上の職員約300人が出席した知事就任式では「組織が一丸となって目標を共有するとき、組織の力は最大になる」と呼び掛けた。

 県職員を代表してあいさつした奥野立副知事は「県のかじ取り役として、豊富な経験、卓越した識見をお持ちの大野新知事をお迎えできたことは大変頼もしく、心強い。大野県政推進のために一丸となって努力する」と決意を述べ

た。

 大野知事は同日、県議会議事堂内の各会派の控室などを回り、就任のあいさつを行った。議長室を訪れた際、神尾高善議長(自民)は「知事と対立じゃなく、(課題を)共有しながら良い埼玉県をつくりたいと、私どもも頑張っていきたい」と大野知事に話し、握手を交わしたが、上田前知事と対立していた自民党県議団の控室に県議の姿はなかった。

 この件について、大野知事は記者会見で「健全な県政を運営していくことはとても大事だと考えている。残念ながら会うことができなかったが、県議と真摯(しんし)に向き合っていきたい」と答えた。

 大野知事は知事選で、自民、公明両党が推薦したスポーツライターの青島健太氏(61)との事実上の一騎打ちを制して、第61代知事に就任した。

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