埼玉新聞

 

慶應大に現役合格、「ビリギャル」桶川で講演 不可能を可能に、1年で偏差値を40上げた実体験を紹介

  • 「ワクワクドキドキする目標を設定しよう」と話す小林さやかさん=桶川市

  • 「学校排水のゆくえ」について発表する桶川西高科学部の野口悠真さん=桶川市

 「ビリギャル」として話題になった小林さやかさんが19日、「ビリギャル流不可能を可能に変える5つのルール」と題して桶川市で講演し、「目標や夢は言いふらそう。思春期だからこそ強いエネルギーが力に変わる」と訴えた。市PTA連合会などが主催する「手をつなごうPTAべに花講演会」の講師として登壇した。

 小林さんは1983年名古屋市生まれ。2013年に発行された「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著)の主人公として一躍話題になった。現在はフリーランスで講演活動やイベントの企画運営をしている。

 小林さんは偏差値30で学年最下位だった高校2年生の時に坪田さんと出会い、慶応大を目指すことになる。「私の元彼の話を政治経済に結び付けて話しちゃうような面白い人で、この人となら毎日話してもいいと直感で思った」と言う。

 「そんなワクワクする大人に出会えた私はラッキーだった」としつつ「子どもが勉強するためにはワクワク、ドキドキが必要。どうかワクワクのポイントを探してほしい」と話した。そして「受験がゴールでは駄目。その先にどんな楽しいことがあるのか自分でイメージしないと頑張れない」と熱く語った。

 周囲から絶対に無理だ、と言われても根拠のない自信を持ち続けたという。「自己肯定感が大切。できないことはやらない。モチベーションが下がるから。6割丸が取れるところまで戻って一歩ずつ」と小4の問題集から勉強を始めた実体験を紹介。「できると褒められてうれしい。だから次も頑張るというピグマリオン効果」によって、高3の秋には1日15時間勉強することができたという。

 小林さんは「信じてくれる大人の存在は必要。その人のために頑張れる」と話し「意志あるところに道は開ける」と締めくくった。

 べに花講演会では、県立桶川西高校科学部が「学校排水のゆくえ」について調べた「高校生下水道体験プログラム」の活動成果を、部長の野口悠真さん(2年)が発表した。

 部員は使用した水が「どこを流れ、どこに行き、どのようにしてきれいになるのか」を調査。校内の汚水処理施設に潜入して下水道管内にカメラを入れ、水の行方を追った。野口さんは「汚水は最終的に元荒川水循環センターに送られた。水質分析や微生物観察などの体験を通じ、排水がきれいになっていくことを実感した」と説明した。

 研究発表を聞いた県下水道公社荒川左岸北部支社水質調査センター長の鈴木雅之さんは「プログラムの成果が分かる良い発表だった」と話した。

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