秩父で豚コレラ、関東で初確認 埼玉県、養豚場で飼育の豚680頭を殺処分へ 感染経路は「調査中」
農林水産省と県は13日、秩父市の農場で飼育している豚が豚コレラに感染していたと発表した。関東地方での確認は初めて。県は同日、養豚場で飼育されていたとみられる約680頭を殺処分することを決めた。感染経路については「調査中」としている。
県によると、秩父市の農場の豚は「山梨食肉流通センター」(山梨県笛吹市)に出荷。12日の加工前に1頭が死に、ほか3頭にも内臓に異常が見られたため、詳しい検査をしていた。12日の山梨県の検査で陽性と判定され、13日の国の検査で確定した。県でも13日にかけて同農場の豚の中から数頭を検査し、陽性が出た。
県は感染拡大の抑制へ、同農場で飼育されていた豚を殺処分する。発生農場の半径3キロ圏から10キロ圏には二つの養豚場で計1700頭が飼育されているが、同圏外への搬出を禁じた。二つの農場の豚については現状では殺処分はせず、異常が見られた場合に検査を行う。豚に関しては移動を禁じた。
また10キロ圏には4カ所の消毒ポイントを設置。農場に出入りする関係車両の消毒を徹底する。
県は13日午後7時半ごろから、豚コレラ緊急対策会議を開催。大野元裕知事は「全庁上げて、早期の収束に努めたい」と力を込めた。16日までに計約500人体制で消毒対応などに当たる。
同省によると、豚コレラの発生がこれまで確認されたのは、岐阜、愛知、福井、三重の4県。殺処分は出荷先などの長野、滋賀、大阪にも拡大している。ウイルス拡散の主要因とされる感染した野生イノシシは、発生4県のほか長野、富山、石川の3県でも見つかった。
豚コレラは豚やイノシシの伝染病で、国内では昨年9月、26年ぶりに発生。感染が広がっており、終息する気配がない。人に感染することはなく、仮に豚コレラにかかった豚の肉や内臓を食べても人体に影響はない。