埼玉新聞

 

北本市長選、現職・三宮幸雄氏が再選 日本一の快挙達成していた “遺跡”道路迂回で国指定史跡化を目指す

  • 再選を果たし、万歳をする三宮幸雄氏(左から3人目)=23日午後10時50分ごろ、北本市中央の事務所

    再選を果たし、万歳をする三宮幸雄氏(左から3人目)=23日午後10時50分ごろ、北本市中央の事務所

  • 【地図】北本市(背景白)

    市長選で三宮幸雄氏が当選した北本市

  • 再選を果たし、万歳をする三宮幸雄氏(左から3人目)=23日午後10時50分ごろ、北本市中央の事務所
  • 【地図】北本市(背景白)

 統一地方選の後半戦は23日、埼玉県内で2市1町の首長選と20市議選、11町議選の投票が行われ、即日開票された。首長選では、現新5氏の激戦となった行田市長選は新人の行田邦子氏(57)が4氏を退け初当選を果たした。現新一騎打ちの北本市長選は、現職の三宮幸雄氏(72)が再選した。現新4人が争った毛呂山町長選は、現職の井上健次氏(64)が3氏を破り4選を果たした。20市議選は総定数469議席に595人、11町議選は総定数146議席に169人が立候補。31市町議選の投票率は前回(41・10%)を下回る39・56%だった。

■北本市長選、争点になった“デーノタメ遺跡”

 北本市長選は、無所属で現職の三宮幸雄氏(72)が、前市議で無所属新人の諏訪善一良氏(73)を破り、再選を果たした。

 久保特定土地区画整理事業地内にあるデーノタメ遺跡の保存の在り方が大きな争点になった。

 三宮氏は「都市計画道路を迂回(うかい)させ、遺跡の国指定史跡化を図る」と強調。諏訪氏は「道を真っすぐに通しても遺跡と共存共栄はできる」と、迂回に反対した。

 三宮氏は市長就任時から同遺跡の国指定史跡化を推進。ウィズコロナ時代を見据えた循環型の持続可能なまちづくりも掲げた。シティプロモーションに力を入れ、昨年、全国広報コンクール広報企画部門で日本一を受賞する快挙も達成。支持につなげた。

 2期目へ向けて、三宮氏は「デーノタメ遺跡の国指定化を早期に実現させたい。地域共生福祉社会も進める。シティプロモーション事業の推進も図る」と語った。

■地域資源どう生かすかの選択(以下、4月16日告示直後の記事)

 北本市長選は、いずれも無所属で、再選を目指す現職の三宮幸雄氏(72)と前市議で新人の諏訪善一良氏(73)が立候補を届け出て、現新による一騎打ちとなった。

 三宮氏は出陣式で、「今回の市長選の争点は、北本市の地域資源をどう生かしていくかだと思っている。ものの豊かさか心の豊かさかの選択」と第一声。久保特定土地区画整理事業および縄文時代のデーノタメ遺跡の国指定史跡化へ向けた推進を強調した。

 加えて、「これまでは上り列車で夢を見るような時代だったが、いまは下り列車で北本市に来るような時代。市の人口が増加する一つの要因だと思っている」とも話した。

 市長選は3度目の挑戦になる諏訪氏は出陣式で、「まちづくりの基本は道づくりだと思っている。道は防災、減災のためにも重要」と第一声。久保特定土地区画整理事業は急ぐべきだとし、「道路を通してもデーノタメ遺跡と共存できると思う」と主張した。

 さらに、「思えば、県議1期、市議4期、約40年間にわたって政治に関わってきた。さらには約50年間会社経営をしてきた。それらの経験を市政に生かしたい」と訴えた。
 

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