秩父で豚コレラ、感染の恐れが現実に 防護服着た関係者ら、養豚場付近に出入り 消毒ポイントも設置
2019/09/14/00:00
県と農林水産省が13日、秩父市の養豚場で飼育している豚が豚コレラに感染していたと発表した。岐阜市で国内26年ぶりの感染が判明して9月で1年。感染が広がり続けていただけに、恐れていたことが現実になった。県は緊急対策会議を開くなど、関係者は対応に追われた。
秩父市内の養豚場で豚コレラの陽性反応が出たことを受け、同市下吉田の養豚場付近は防護服を着た関係者が出入りし、物々しい雰囲気に包まれた。市吉田総合支所では、車両の消毒ポイントが設置され、市職員は「県のサポートをしっかりと行いたい」と緊張した様子で話した。
養豚場の近所に住む50代男性は「帰宅時に養豚場の近くにかなりの車が停車していて、おかしいなと思っていた。まさか近所で豚コレラが出るとは思わなかった。豚コレラについてあまり詳しくないので、不安な部分はあるが、無事に問題が解決してくれれば」と話した。
大野元裕知事は13日午後2時45分すぎからの定例記者会見の冒頭、「きょうはまず私からお知らせをさせていただくことがある」と切り出し、「県内で豚コレラが発生した疑いのある事例が判明した。検査の結果が判明し次第、速やかにお知らせする」と話した。
午後6時半ごろ、県は秩父市内の養豚場の豚から「疑似患畜」が確認されたと発表。同7時半から緊急対策本部会議が開かれ、大野知事をはじめ県幹部が防災服姿で会議に臨んだ。事態を受けて、同4時半から予定されていた県幹部による「オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ庁内推進会議」は中止となった。
県によると、13~16日までの4日間、県農林部を中心に約500人の職員が現地に入り、豚の殺処分や消毒、埋却に当たる。