映画・あの日のオルガンの舞台に40人 疎開で園児が歩た道のりを体験、蓮田の妙楽寺など巡る
2019/09/17/00:00
戦時中、蓮田市の妙楽寺(みょうらくじ)に保育園児が疎開した物語を描いた映画「あの日のオルガン」の舞台を15日、約40人が訪れ、周辺約7キロのコースを歩き、疎開に思いをはせた。
はすだ観光協会が映画の舞台となった妙楽寺や周辺の神社、史跡を歩こうと企画した。疎開の際、子どもたちが歩いた道を体験するため、JR高崎線桶川駅から妙楽寺までの道のりをコースに組み込んだ。
桶川市でも上映会を開催。近くを流れる見沼代用水が世界かんがい施設遺産に登録され、地域への関心も高まっている。市商工課によると、募集した人数を超える応募があったという。
妙楽寺では小島久昌住職や石井正孝総代が、戦時中、先々代が疎開を受け入れた当時に思いをはせ、参加者と交流を深めた。2人によると、映画をきっかけに市内外から、寺や地域を巡る人が増えているという。
小島住職は戦時中の妙楽寺を舞台にした映画について「保育園児の命を守れたことを改めて伝えていきたい」。石井総代は祖父が中心となり当時の地域住民と疎開を支えた歴史に触れ「厳しい祖父が、地域の住民とこうした貢献をしていたことを映画で知ることができた」と話した。
母親と参加し、映画で園児が歩いていた道のりを体験した蓮田市関山の岡本彩音さん(8)は「映画を見て戦争の話はとても驚いた。実際に歩くと、とても長かった」と感想を話した。