越谷市越ケ谷の久伊豆神社で、県指定天然記念物のフジが見頃を迎えている。薄紫色の花房がフジ棚からシャワーのように降り注ぎ、参拝客を優しく包み込んでいる。
フジの木の樹齢は、およそ200年。1837年に下総国(現千葉県)流山から舟で伝わり、移植されたといわれる。地面から7本に分かれて高さ約2・7メートルのフジ棚に伸び、枝を広げる。花が枝下1・5メートルほど垂れ下がるため「五尺藤」とも呼ばれるという。
同神社によると、例年見頃は4月終盤だが今年は10日前後早く、ここ数日中になる見込み。フジの花は春風に揺れて境内に甘い香りを漂わせ、参拝者も優雅に見上げていた。