埼玉新聞

 

<小4男児殺害>いつも見届けている子が「まさか」 通っていた小学校で集団下校、保護者ら心配そうに

  • 事件を受けて保護者と集団下校する児童ら=18日午後3時35分ごろ、さいたま市見沼区

 さいたま市見沼区大谷の集合住宅の敷地内で、小学4年の進藤遼佑君(9)が遺体で見つかった殺人容疑事件。小学生が巻き込まれた事件に、近隣住民は「まさか」と驚き、心配そうに現場を見つめていた。進藤君の通っていた小学校では18日午後、集団下校が行われ、保護者が心配そうに付き添った。

 進藤君のことを知る近隣の女性(40)は17日夜、集合住宅の近くに警察官や学校関係者とみられる人が集まっているのを見掛け、「何があったんだろう」と心配していたという。女性は先週14日も進藤君の姿を見ており、「登校日で学校に向かう登校班を見送った。おおらかで明るい子。英会話や水泳など習い事も多くしているようだった」と話す。

 同級生の40代の母親の元には17日夜、学校から男児を捜しているという旨のメールが届いたという。「会えばあいさつをしてくれた。この地域でこんな事件が起こるなんてびっくり」と驚く。

 防犯ボランティアで進藤君が通う小学校の下校を10年以上見守っているという斉藤定石さん(80)は「いつも帰りを見届けている子がこんな目に遭うなんて」と声を落とす。

 集団下校となった学校前で、娘の帰りを待っていた40代の母親は「昨日、行方不明の知らせを聞いて捜索にも協力したが、まさか亡くなるなんて」とショックを隠せない様子だった。

 小学校の正門前に住む女性は「登下校時は地域の見守りボランティアの人がいるので、子もどたちも安心して通っているのでは」と話す。

 午前8時半ごろ、ヘリコプターが上空を何度も旋回しているので不審に思い、テレビで事件を知ったという70代の女性は「最初は台風被害の千葉県に物資を送るヘリコプターかと思った。30年近く住んでいるけど、こういった事件は初めて」と驚いた様子。

 学校から歩いて数分の場所に約50年間住む70代の夫婦は「不審者情報など聞いたことがない。何で小さな子が殺されなくてはいけないのか、かわいそうで仕方ない」と目を潤ませていた。

 同校の正門には午後2時半すぎになると、集団下校のために保護者が続々と集まった。午後3時20分ごろから集団下校が始まり、同伴する保護者はいずれも心配そうに付き添っていた。

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