<小4男児殺害>義父逮捕ショック…同じ学校の保護者「苦しくてニュース見られない」…食事取れない児童も
さいたま市見沼区の集合住宅に小学4年進藤遼佑君(9)の遺体が見つかった殺人事件で、県警は19日、死体遺棄の疑いで、義父(32)を逮捕した。近隣住民や男児と同じ小学校に通う子を持つ保護者の間には動揺が広がり、「受け止めきれない」と9歳の命が奪われた事件に悲しみと驚きをあらわにした。
進藤君と同級生の子の母親は夕方、インターネットのニュースで義父への逮捕状が請求されたことを知った。「知った途端に苦しくなり、以降ニュースを見ることができない」とショックを隠せない。女性の息子は以前、進藤君と同じクラスだったこともあり、18日の帰宅以降、食事を取ることができていないという。「起きてほしくないことが起こってしまった。受け止めきれない出来事」と声を落とした。
娘が進藤君と同じ小学校に通っているという40代の女性は、「娘は『現実味が湧かない』と言っていて、まだ受け止められていない様子だった」と話す。「今まで何も分からない状態だったので、関与している人が分かって少しほっとしたが、何でこんなことになったんだろう」と言葉少なに取材に応じた。
事件があった集合住宅の近くに住む派遣社員の30代女性は「詳しいことが分からず心配だった」と不安な時間を振り返る。仕事中に見たニュースで義父の事件への関与を知ったといい、「父と子の間に何があったんだろう」と現場となった住宅を見つめていた。
一方、事件発覚から一夜が明けた19日朝、進藤君の通っていた小学校の児童は、保護者やボランティアに付き添われながら集団登校した。毎朝、学校周辺をジョギングしている無職男性(71)は「子どもの登校を見守る保護者はよく見掛けるが、ここまで大勢の大人が付き添う光景は初めて見た」と話した。
午後2時半ごろになると、ランドセルを背負った児童たちが校庭に集合し、いくつかの班に分かれて集団下校していた。学校前まで息子を迎えに来た30代母親は「犯人が見つかるまでは、子どもを一人で外出させないようにする。家の戸締まりも徹底している」と警戒心を強めていた。
進藤君と同級生の娘を40代母親は「事件のことを知ってから食欲も元気もない」と心配していた。