埼玉・大野知事、再選出馬を表明 「危機管理に追われた4年間」採点は80点 特定の政党支援を受けない考え
大野元裕埼玉県知事は28日、さいたま市内で会見し、任期満了(8月30日)に伴う知事選に、再選を目指して無所属で立候補することを明らかにした。大野知事は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行することに伴う対応に道筋がついたとし、「次の身の振り方について話すべき時が来た。2期目の挑戦へ、県が抱える、直面する多くの課題を克服するため、責任を果たしていきたい」と、取り組むべき政策を発表した。
■県庁建て替えも検討へ
大野知事はこれまでの県政運営を振り返り、2019年の豚熱、台風19号、20年から始まった新型コロナや21年、22年の鳥インフルエンザ対応などを挙げ、「危機管理に追われた4年間だった」と総括。自己評価については「おおむね公約が順調に進む一方、危機管理について克服すべき課題もあった」とし100点満点で80点との認識を示した。
これからの4年間へ向けた政策では、埼玉版スーパー・シティプロジェクトのさらなる拡大など「少子高齢化/災害の頻発・激甚化に対応可能な未来を見据えたまちづくり」、埼玉版SDGsの普及や環境と経済の両立など「持続的な発展に向けた戦略的転換」、女性の社会進出のさらなる推進など「あらゆる人が生き生きと活躍できる居場所と社会」などの目標を提示した。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)と行政改革の推進では、「4年間で大きく進んだDXを前提に、県庁の在り方や建て替えについて検討したい。北部拠点をはじめとする地域機関の在り方について、これを県庁建て替えの先行モデルとすることも検討したい」と述べた。スケジュールについては「(新たな任期中に)絵が描けるところまでは持っていきたい。将来、50年、60年使う県庁となる。まずは新しい考え方を入れた先行モデルを見ながら、着実に進めていくことになるだろう」と展望した。
立候補に当たっては「政党に公認、推薦を求めるつもりはない。県民を可能な限り多く代表できる形で出馬したい」と、特定の政党支援を受けない考えを示した。
大野知事は川口市出身の元参院議員。2019年の知事選で初当選した。今年2月の県議会代表質問で再選への考えを問われ、「皆さまからのご意見を重く受け止め、今後、再選出馬に向けた準備を進める」としていた。
■知事選日程 7月20日に告示、8月6日投開票
県選挙管理委員会は28日、任期満了に伴う知事選挙の日程を、7月20日告示、8月6日投開票と決めた。