<新型コロナ>埼玉776人感染、前週より200人近く増加 一方埼玉の経済、今後回復へ…リスク、思わぬ苦労も
埼玉県は29日、新たに1~90歳以上の776人の感染を確認したと発表した。死亡の報告はなかった。感染者の内訳は県管轄が475人、さいたま市163人、川口市70人、川越市24人、越谷市44人。前週同一曜日より193人増加した。1週間の感染者数の平均は577・9人。
これまでに確認された感染者は181万645人。死者は4004人。28日夜時点の重症者は2人、入院は174人、宿泊療養は0人。
クラスター(感染者集団)関連はなかった。
■コロナ政策効果で県内景況「持ち直していくことが期待」
関東財務局は25日、4月の県内経済情勢を発表した。総括判断を「物価上昇や供給面での制約の影響がみられるものの、緩やかに持ち直している」とし、昨年4月期から5期連続で判断を据え置いた。
各項目判断では個人消費について「物価上昇の影響が見られるものの、緩やかに持ち直している」と1月の前回判断を据え置いた。1~2月のスーパー販売額は前年比2・4%増、百貨店販売額は同7・0%増と好調。企業へのヒアリングでは「外出機会の増加に伴い、お出かけ用の雑貨、衣料品や化粧品の動きが良いほか、手土産用の和洋菓子の販売が好調。高価格帯の時計、宝飾品等の販売も好調で客単価が上昇している」(百貨店)といった声があった。1~2月のコンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンター販売額、1~3月の乗用車新車登録・届け出台数もそれぞれ前年同期を上回って推移。1~2月の家電大型専門店販売額は価格上昇による買い控えなどからか、前年同期を2・1%下回った。
生産活動は「弱い動きとなっている」と1月の前回判断から下方修正。一部に供給面での制約の影響がみられる中、業種別にみると、生産用機械、食料品が増加しているものの、化学、汎用(はんよう)機械などが減少している。ヒアリングでは「高付加価値のフェア商品の売り上げが好調なほか、物価上昇の影響もあり生産高は増加している」(食料品、中堅企業)との声がある一方、「外出機会の増加に伴い、メーク化粧品に回復傾向が見られるものの、本格的な需要回復には至っていないほか、スキンケア用品の生産は前年を大きく下回っている」(化学、中堅企業)といった声もあった。
雇用情勢では1~2月の有効求人倍率が1・06倍と、前期(10~12月)の1・08倍からほぼ横ばいで推移。1~2月の新規求人数は3万2800人で前期(10~12月)の3万3200人から減少しており「持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている」と1月の前回判断を据え置いた。企業からは「採用環境は厳しさを増し、特に半導体関連の人材は奪い合いの状況となっていることから、ベースアップを実施するとともに、新卒の初任給を3万円増額した」(製造業、大企業)など、採用に苦労する声も聞かれた。
同局は先行きについて「ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり景気が持ち直していくことが期待される」と展望。一方で「世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れが景気を下押しするリスクとなっている」とも指摘し、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があるとの見方を示した。