埼玉新聞

 

鉄道博物館、秋の企画「走るレストラン」開催 20年1月19日まで 日本に食堂車が誕生して120年

  • 食堂車の歴史と物語が紹介されている秋の企画展「走るレストラン~食堂車の物語~」=さいたま市大宮区の鉄道博物館

  • 日本で初めての食堂車山陽鉄道で使われていた「石炭レンジ」=さいたま市大宮区の鉄道博物館

 さいたま市大宮区の鉄道博物館本館2階スペシャルギャラリーで、秋の企画展「走るレストラン~食堂車の物語~」が開催されている。来年1月19日まで。

 日本に食堂車が誕生して今年で120周年。移りゆく車窓風景を眺めながらの食事という特別なひとときを演出する食堂車。社会情勢や生活スタイルの移り変わりなどに影響を受けながら変遷してきた。同展では、食堂車の歴史をひもとき、食堂車にまつわる物語を時系列に紹介している。

 1860年代、欧米で始まった食堂車は、1899年に国内で初めて山陽鉄道に導入された。5人掛け10人のテーブルで西洋料理が提供された食堂車は富裕層に限定されたものだった。会場には、当時使用されていた「石炭レンジ」(フジマック製)の実物が展示されている。

 1900年代に鉄道が国有化され、3等急行列車に食堂車が連結されると和食が登場、大衆化が進む。展示では、当時のメニューやチラシ、ポスターなどを見ることができる。さらに、40年代、戦争の激化によっていったんは廃止に追い込まれた食堂車だが、高度経済成長期には繁栄のピークを迎える。展示は、模型や写真、実際に使われていた食器や椅子などでその様子を伝えている。展示の最後には、新しい"走るレストラン"周遊型クルーズトレイン「四季島」の厨房(ちゅうぼう)の様子を映像や音で感じさせるコーナーも。

 企画展の開催中、博物館内の「トレインレストラン日本食堂」では、1938年当時の洋食定食をイメージした「ダブルビーフステーキ」(税別3千円)を提供する。

 問い合わせは、同館(電話048・651・0088)へ。

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