<川口いじめ>元少年側、同級生の父親と和解成立 大人のうそ苦しい、サイトで中傷…被告は友達のお父さん
2019/09/27/00:00
川口市の中学校でいじめを受け不登校になった元男子生徒(16)が、インターネットの掲示板サイトで実名を挙げて中傷されたとして、同級生の父親に損害賠償を求めていた訴訟の口頭弁論が26日、さいたま地裁(日下部祥史裁判官)で開かれ、和解が成立した。
和解条項は、同級生の父親がネットに投稿したことを認め、反省し謝罪する内容で、30万円を支払う。元少年側は刑事告訴を取り下げる予定。
元少年側の荒生祐樹弁護士は「匿名のネット投稿は怖い敵。立ち向かったことは大きな意味があり、和解を得たことはひとつの成果」、元少年の母親は「匿名の誹謗(ひぼう)中傷の抑止につながる警鐘となってほしい」と話した。
母親はまた、「息子はちゃんと直接謝ってほしいと思っている。息子はいじめそのものより、学校や市教委という大人たちのうその方が苦しいと訴えている。この裁判では友達のお父さんが被告だった。大人たちへの不信感が心の傷になり心配」と語った。
同問題は2017年10月、ネット上に学校名が表題の掲示板が作られ、元少年の実名を記して元少年や母親を誹謗中傷する内容の書き込みが多発した。内容から学校関係者による投稿とみられたため、元少年側は校長らに保護者会などで止めるよう求めたが、効果がなかったため、昨年6月、通信会社3社に発信元の開示を求めて提訴。東京地裁は12月、情報開示を命じ、同級生の父親ら3人が投稿したと判明した。うち2人が謝罪し和解。残る1人を相手にさいたま地裁で訴訟が続いていた。