いきなりステーキで喉に肉を詰まらせた男性、店長が応急処置 救護講習を受けたばかり 大宮消防署が感謝状
2019/09/27/00:00
ステーキ肉を喉に詰まらせた男性に対して適切な応急処置を行ったとして、さいたま市大宮消防署は25日、男性2人に感謝状を贈呈した。2人は「瞬時の判断で命を救えて良かった」と話している。
表彰を受けたのは大宮区桜木町の「いきなりステーキ大宮西口店」店長の鳥山和之さん(33)とアルバイト従業員の関口龍弥さん(22)。
今年7月13日午前11時半ごろ、同店で200グラムのヒレステーキを食べていた64歳の男性が肉を喉に詰まらせ、息ができない状態になった。その時、店内は昼時で満席状態。接客に追われていた2人は男性の異変をすぐに察知したという。
「顔が真っ赤になり、苦しそうで意識が遠のいていくような状態だった」と鳥山さんは振り返る。
関口さんがすぐに119番通報。鳥山さんは背中をたたいたり、男性を背後から抱きかかえ自分の手を突き上げ横隔膜を圧迫する処置を施した。
実は鳥山さんは数カ月前に会社の研修で、救急隊を招いた応急救護講習を受けたばかりだったという。その時に背部叩(こう)打法やハイムリック法といった実技を学んだことで、「いざの時に自然と体が動いた」と話す。
しばらくすると、男性の口から詰まっていた肉片が出てきて、救急隊が到着した時は会話ができるまでに回復した。その後は病院に搬送され、男性の容体は現在、良好だという。
2人はその後、消防署と連絡を取り合い、男性の無事を確認。関口さんは「自分が人の命を救える力になれて本当に良かった」と安堵する。
大宮消防署の小野崎伸一署長は「迅速で適切な勇気ある行動によって尊い命が救われたことに敬意を表します」と表彰状を手渡して2人を称賛した。