埼玉新聞

 

<ラグビーW杯>熊谷で2試合目、2万人超が熱狂 選手ぶつかる振動、客に伝わり驚き「すごい迫力」

  • ジョージア国歌を斉唱する児童ら=29日午後、熊谷ラグビー場

  • ウルグアイ国歌を斉唱する児童ら=29日午後、熊谷ラグビー場

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は29日、熊谷市の熊谷ラグビー場で予選リーグD組のジョージア―ウルグアイ戦が行われ、ジョージアがウルグアイに33―7で快勝し、今大会初勝利を挙げた。W杯での熊谷ラグビー場2試合目となる同試合には2万4895人が詰め掛け、世界最高峰の戦いに熱狂した。

 熊谷ラグビー場での次戦は、10月9日の予選リーグC組アルゼンチン対米国(午後1時45分キックオフ)。同試合が熊谷ラグビー場でのW杯最終戦となる。

■熊谷へようこそ

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、熊谷市上川上の熊谷ラグビー場での2試合目となるジョージア対ウルグアイ戦が29日、行われた。地元開催の3試合をスタジアムで観戦する市内の小中学生約1万4千人のうち、この日は小学生と引率教諭ら約5千人が参加。両国の国歌斉唱で盛り上げ、国旗が描かれたうちわやタオルを掲げて応援し、ラグビータウンの熱いもてなしで選手やファンを歓迎した。

 ほとんどの子どもたちにとって、W杯を間近で観戦するのは初めて。「生のプレーや歓声を聴くのが楽しみ。ジョージアもウルグアイも、どっちも勝ってほしい」。吉見小6年の小谷壮生さん(11)は期待に胸を膨らませる。

 「一生に一度」の祭典に参加したという「記憶のレガシー(遺産)」を残そうと、市は市内45校の小中学生を無料で招待している。

 24日の初戦は中学生、残りのデーゲーム2試合を小学生が観戦。熊谷市の最高気温は29・7度まで上昇し、厳しい残暑となった。帽子をかぶり、水筒や塩分補給用のあめを持参し、熱中症対策にも余念がない。

 この日のため対戦国の歴史や文化を学習し、国歌も練習してきた。

 元気な歌声を響かせていた妻沼小4年生の小池彩羽さん(10)は「『両方とも頑張って』という気持ちを込めた」とにっこり。外国語が難しく、鼻歌でメロディーに合わせたという三尻小3年生の真下涼香さん(9)は心の中で「熊谷に来てくれて、ありがとう」と感謝した。

 「行け、ジョージア」「ウルグアイ、頑張れ」。キックオフとともに、白や黄色の帽子が集まるスタンドから、声援が湧き起こる。「体がぶつかり合うドーンという振動がここまで伝わってくる」。大幡小3年生の田口涼介さん(9)は激しさに驚く。

 試合終了後、熱戦を繰り広げた両チームを大きな拍手でたたえた。最前列の子どもたちは手すりまで身を乗り出し、ピッチを後にする選手たちに向かって、名残惜しそうに手を振っていた。あっという間の80分は忘れられない経験になったようだ。

 「ゴールに向かって一生懸命、走る姿に感動した。私も将来、ラグビー選手になりたい」と別府小2年生の小暮愛利さん(7)。長井小6年生の金子紗夢さん(12)は「トライもタックルも、すごい迫力。一生の思い出になった」と目を細めていた。

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