埼玉新聞

 

議場で大見得、100人が喝采 様々な用途で使えるバリアフリー議場 第一弾は地芝居・小鹿野歌舞伎

  • 歌舞伎公演が行われた町役場の議場=5日午後2時ごろ、埼玉県小鹿野町小鹿野

    歌舞伎公演が行われた町役場の議場=5日午後2時ごろ、埼玉県小鹿野町小鹿野

  • 歌舞伎公演が行われた町役場の議場=5日午後2時ごろ、埼玉県小鹿野町小鹿野

 埼玉県小鹿野町役場新庁舎(同町小鹿野)の落成記念イベントが5日、同庁舎で行われた。小鹿野歌舞伎保存会と奈倉女歌舞伎の会が、町有林を活用したバリアフリーの議場で歌舞伎を披露。町内外から訪れた観客約100人は、木材の優しい香りに包まれながら地芝居を堪能した。

 同庁舎は老朽化による建て替え工事を行い、今年3月に業務を再開させた。町有林を間伐して得たスギやヒノキなど計約9千本を内外装材に活用した純木造庁舎で、1階の議場(約196平方メートル)は、イベントや災害時にも活用できるバリアフリー仕様になっている。

 地芝居として200年以上の歴史を誇る小鹿野歌舞伎を、議場で行うイベントの第一弾に採用。舞台と観客席が設けられた議場で、小鹿野歌舞伎保存会は「寿曽我対面工藤館之場」、奈倉女歌舞伎の会は「青砥稿花紅彩画 浜松屋見世先之場」の演目を披露し、観客を沸かせた。

 奈倉女歌舞伎は毎年、奈倉妙見宮(同町下小鹿野)の秋祭りで歌舞伎を披露しているが、コロナ禍で中止が続き、今回が約4年ぶりの舞台となった。同会の田村静江会長(85)は「名誉あるこけら落としの舞台に上がれるのはこの上ない喜び。今回を機に活動を再開させ、会員を募りながら伝統継承に努めていく」と話していた。

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