埼玉新聞

 

<ラグビーW杯>ファンゾーン大盛況 熊谷ならでは、熱い歓迎も好評 日本代表の躍進も後押し

  • ラグビーW杯開幕戦の試合前、ロシア国歌を歌う観客ら=9月20日、熊谷市本町

  • ファンゾーンでスクラム体験を楽しむ親子ら=9月20日、熊谷市本町

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、試合のパブリックビューイング(PV)会場となっている熊谷市のファンゾーンが盛況だ。日本代表の快進撃も追い風となり、当初の見込みを上回る6日間で延べ約4万人が来場。熊谷ならではの熱い歓迎も好評で、スタジアムに負けないくらい盛り上がっている。

 5日には日本対サモア戦のPV(午後7時半キックオフ)も行われる。

 「自分の学生時代とは比べものにならない盛り上がり。ラグビー経験者として信じられない」。熊谷市本町のコミュニティひろばにファンゾーンが開設された9月20日、会社の同僚たちと訪れていた鴻巣市の男性会社員(29)は上機嫌でビールをあおった。

 ファンゾーンは熊谷駅から徒歩8分、広さ約8150平方メートル。10月9日までに計10日間設置され、300インチの大型ビジョンを使って熊谷ラグビー場での3試合や日本代表戦を中心に22試合のPVを行っている。

 10月は4、5、6、9日の4日間開催され、観戦チケットの有無にかかわらず入場無料。食べ物の持ち込みも禁止していない。

 9月の来場者数の内訳は、熊谷開催のジョージア対ウルグアイ戦など2試合が行われた29日が約1万4300人で最多だった。

 次いで日本対アイルランド戦など3試合が行われた28日が約7500人、熊谷開催のロシア対サモア戦が行われた24日が約7千人、開幕戦の日本対ロシア戦が行われた20日が約4千人。

 1日平均6千人の来場を見込んでいた担当の市ラグビーワールドカップ2019推進室は「予想以上の反響」と驚く。

 会場は熊谷ラグビー場に向かうシャトルバスの発着場に隣接しているため立ち寄りやすく、一度足を運んでリピーターになる人も多い。加えて優勝候補のアイルランドを破る大金星を挙げた日本代表の躍進を挙げ、「ラグビーへの関心、人気の高さにも後押しされている」と分析する。

 ステージでは、本拠地の熊谷移転を表明しているトップリーグのパナソニックワイルドナイツの選手らが肉体改造にまつわる裏話を披露したり、地元の児童生徒らが書や踊りのパフォーマンスで応援したり、試合の合間もにぎやか。立正大ラグビー部監督の堀越正己さんらによる見どころ解説もある。

 熊谷ならではのおもてなしも魅力の一つ。市民有志でつくる「熊谷ラグビー合唱団」は来場者に歌詞カードを配り、母国語で国歌を歌って選手やファンを歓迎しようと呼び掛けている。団長の臼杵健さん(43)は「外国人のお客さんもステージに上がり、胸に手を当てて一緒に歌ってくれる。一体感が楽しい」と語る。

 PVやステージイベント以外の催しも充実している。ドーム内部にCG映像を投影して熊谷ラグビー場での試合を疑似体験できる独自のアトラクションをはじめ、パスやキック体験、ラグビータウン熊谷の歴史を振り返るギャラリー、ご当地グルメや特産品の販売など盛りだくさん。

 開催時間などの詳細は「熊谷へラグビーを見に行こう!」のホームページ(https://www.kumagaya-rugby.jp/fanzone/)で。

ツイート シェア シェア