4年越しの雪辱「ようやく気持ちよく終われた」 各々が仕事全う、聖地で頂点つかむ/浦和3度目のアジア制覇
浦和は敵地での第1戦を1―1で折り返した。アウェーゴールを奪いアドバンテージを得たが、アルヒラル(サウジアラビア)は2019年の決勝で敗れた因縁の相手。厳しい戦いに変わりはなかった。
優勝の瞬間を見届けようと、埼玉スタジアムには約5万3千人が集結した。会場にはロドリゲス前監督、19年の決勝で浦和の一員として悔し涙を流した阿部勇樹さん、21年の天皇杯でACL出場権を獲得するゴールを奪った槙野智章さんらも来場した。
両チームの入場時には、浦和のファン・サポーターからの大々的なビジュアルサポートの後押しを受けキックオフ。
アウェーゴールを取り戻したいアルヒラルは、前半から猛攻を仕掛けるが、相手キーマンのFWイガロにはショルツとホイブラーテンが挟み込むように徹底マーク。酒井は「守備に求められるのはクリーンシート。それを続けている限り負けることはない」と仕事を全うした。
待望の瞬間は、風上に立った後半4分だった。岩尾のFKをホイブラーテンが頭で折り返したボールがゴールに吸い込まれた。ホイブラーテンは「素晴らしい感覚。風がボールの方に向かっていってラッキーだった」と最後は相手選手のオウンゴールになったが、優勝をぐっと近づけた。
大舞台で頼れたのは守護神西川だ。90分間で3本はあった相手の決定機を抜群の反応でシャットアウト。背番号1は「ポジショニングでしっかりと誘い込んで予測を立て、慌てずに対処できた」。後半ロスタイムに迎えた最大のピンチも、右足に当てる好セーブでチームを救った。
終了のホイッスルが響くと、ピッチの選手たちは抱き合い涙する選手たちもいた。19年の敗戦を知る関根は「悔しい思いが強かったのでほっとした。ようやく気持ちよく終われた」と雪辱に涙を流した。トロフィーリフトでは主将の酒井の提案で、昨季の主将西川と半分ずつを手に持ち一緒に掲げた。
戦前の予想を覆す一発勝負の強さは健在だった。スコルジャ新体制となり、わずか約4カ月でのビッグタイトル獲得。できることが限られた中で出した結果は、このタイトルと雪辱への信念を感じた。今後、ユニホームの胸に輝く三つ目の大きな星を飛躍のシンボルにしたい。