埼玉新聞

 

わらびの蕨もち、蕨ブランド協会が発売 100年後も愛される本物志向、上品な甘さで大人の味

  • 蕨もちを手に、左から町亜聖さん、関口慶太さん、工藤由貴子さん=1日、蕨市

 蕨商工会議所が主導する一般社団法人蕨ブランド協会(共同代表=徳丸平太郎・蕨商議所副会頭)は1日、JR蕨駅近くの空き店舗を活用した新店舗「WARABI SELECT SHOP」を開店し、同協会が新たに開発した菓子「わらびの蕨もち」を発売した。このほか、蕨の特産品の縞木綿「双子織」のバッグなど小物製品をそろえて販売を始めた。

 蕨もちは手のひらに乗るサイズパックで4個入りで税抜き290円、賞味期限は14日間。蕨の手土産として活用できるよう、同協会が2年間の検討を重ねてきた。メンバーには市のPR大使でフリーアナウンサー・町亜聖さんや地元のイタリアンシェフやパティシエが参加した。同商議所の経営指導員・関口慶太さん(36)によると「蕨には地元のお土産が何もない」という声に応えるための商品開発だった。「100年後も愛される本物志向」というコンセプトで議論を重ねてきた。

 関口さんが京都や奈良など、わらび餅を作る老舗を訪ね歩いて調査した。その結果、古来のわらび餅の技術は、当日に食べるものから数日間もたせるものまで、技術の知恵の蓄積があることが分かり、その技術を活用できるようにと製造工場は京都府にしたという。

 町亜聖さんは「日本一小さな市の蕨の人が、よその街の人へ手渡すお土産。蕨を知ってもらうことをイメージして、わらび餅になった。こしあんで、味は甘すぎず上品、大人の味です」とPRした。

 双子織は幕末から明治にかけて、蕨と川口の芝を中心に生産された手機織機による縞木綿。世界に通じる美しいデザインと品質を誇ったが、産業としては衰退、消滅していたが、中仙道商店街有志や同商議所により、2004年に機械生産による縞木綿が商品として復活した。

 問い合わせは蕨ブランド協会(電話048・432・2655)へ。

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