<新型コロナ>埼玉県「移行期間」に 感染者数は週1回公開、次回は17日予定 医療機関の逼迫度調査は継続
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更されたことに伴い、埼玉県のコロナ対策も医療機関同士の連携を中心とする新たな体制を目指す移行期間に入った。
8日からは65歳以上の高齢者や医療従事者らを対象とするワクチン接種が開始。県は高齢者施設や障害者施設にワクチンバスを出動させ、接種を推進する。
大野元裕知事は9日の定例記者会見で、5類移行初日の8日には、県コロナ総合相談センターに394件の相談が寄せられ、応答率は98・5%だったと話した。県感染症対策課によると、3~7日の連休中は平均470件と増加したが、4月21日の開設から5月8日までの平均は342件で応答率は96%。大野知事は「8日は相談が増えたが応答率も若干良くなった。相談にはしっかり対応できている」と手応えを明かした。感染者の入院は、病院間や病院と診療所間の調整が中心となる。重症患者は県がコーディネーターを通じ調整を支援するが、8日には重症患者の調整は発生しなかったという。
ワクチンバスではオミクロン株対応ワクチンを用い、20日から出動させる。接種者が約20人以上の施設から希望を受け付けるとしており、これまでに40以上の施設から希望があったという。
一方、発熱患者を診察する診療・検査医療機関は継続された。大野知事は移行初日の状況を10の医療機関に聞き取った結果として、「制度変更について患者に説明する負担が増えた」「国などに申請する手間が減った」などの意見があったとしたが、「総合してあまり大きく変わったことはない」と述べた。谷口良行県医療政策幹は取材に、これまで診療・検査医療機関に行っていた逼迫(ひっぱく)度などについてのアンケートを今後も継続すると明かした。4月24日から5日間では、「発熱外来が逼迫している」との回答は5・7%だったという。
毎日の新規感染者数の発表は8日に終了した。9日からは定点医療機関で観測し、1週間分を水曜日に県ホームページで公表する。次回の公表は17日の予定。大野知事は再流行時について「感染症法などに基づき要請や措置を行う権限はないが、さまざまな形でお願いやお知らせをすることは考えられる」と説明。病床使用率や新たな変異株に注意を払うとした。