埼玉新聞

 

さいたま市立病院、スポーツ医学総合センターを新設 総合病院では埼玉初、設備も充実 スポーツ注力の理由

  • リハビリテーション室には、野球のデータを分析する「ラプソード」を整備

    リハビリテーション室には、野球のデータを分析する「ラプソード」を整備

  • 筋力測定器など最先端の機器も整備

    筋力測定器など最先端の機器も整備

  • リハビリテーション室には、野球のデータを分析する「ラプソード」を整備
  • 筋力測定器など最先端の機器も整備

 さいたま市立病院(緑区三室)は旧周産期母子医療センター棟を東館と改称し、スポーツ医学総合センターを新設した。運動やスポーツ領域に特化した診療部門で、総合病院による同様の施設は県内で初めてという。整形外科、内科、産婦人科など既存の診療科の枠を超え、アスリートの支援や競技力の向上、市民の健康増進を図っていく。

 同センターによると、診療内容は、スポーツによる負傷や障害の治療、予防、リハビリテーション。女性アスリートの無月経や骨粗しょう症の治療、栄養面をサポートする。少年スポーツの夏の熱中症予防、野球肘の早期発見。運動療法では、腰痛や関節痛のほか、メタボリックシンドロームなどを対象とする。骨粗しょう症の早期発見により、健康寿命の延伸も目指す。

 市内では、Jリーグの浦和や大宮、バスケットボールのさいたまブロンコスなどのプロチーム、野球やサッカー、ラグビーなど高校の強豪校が活動している。市はスポーツを活用したまちづくりを推進しており、スポーツを広めて、より安全に行うためとして、同センターを新設した。

 診療体制は、医師2人、看護師2人、診療放射線技師1人、理学療法士3人。市立病院と、交流のある慶大病院のスポーツ医学総合センターから医師が派遣される。

 診察室2室、処置室、放射線撮影室、リハビリテーション室を完備。3次元動作解析装置(モーションキャプチャー)や高精度な骨密度測定器、野球のピッチングやバッティングのデータを分析する「ラプソード」など、約1億円をかけて最先端の機器を導入した。今後も必要な機器を整備する。

 整形外科医の武田健太郎センター所長(47)は「将来的にはアスリートの手術、リハビリの指導を行っていきたい。健康増進では、自分の体をより理解して運動をしてもらえるようにしたい」と話した。

 新しい市立病院が2019年12月にオープン。旧周産期母子医療センター棟を21年9月から約1年4カ月かけて全面改修した。3階建てで延べ床面積約1988平方メートル。同センターは2階の約646平方メートル。1階は救急ワークステーション、3階は研修施設を新設した。改修費用は約7億5千万円。
 

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