<ラグビーW杯>熊谷会場の最終戦、満員の2万4377人 3試合の合計客数は7万人超 鳴りやまぬ声援
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は9日、埼玉県熊谷市の熊谷ラグビー場で1次リーグC組のアルゼンチン―米国戦が行われ、アルゼンチンが米国に47―17で快勝した。熊谷会場の最終戦には満員の2万4377人が来場、地元の小中学生が両国の国歌を熱唱するなどして、熱戦を盛り上げた。
3試合の合計観客数は延べ7万1836人に上り、1試合平均2万3945人。仮設スタンドを含む2万5600席の約94%が埋まったことになる。開催期間中、大勢の外国人が市内を訪れ、市民らが会場内外で心のこもった、おもてなしを展開した。地元の児童生徒らも競技の迫力とともに多様な世界のラグビー文化を楽しんだ。
県ラグビー協会の富岡清会長(熊谷市長)は「大勢の皆さまから本市の対応を喜んでくださっている声を聞いている。多くの市民やボランティアの活動のたまもの。こうした活動がレガシーとなり、ラグビータウン熊谷のさらなる醸成に向けた大きな力となる」とコメントを発表した。
アルゼンチン―米国戦は、午後1時45分のキックオフ前から、熊谷市の小学生らが両国の国旗が描かれたうちわや手旗を振って応援する、おなじみの光景が広がった。両国は既に予選敗退が決まっているが、それぞれの意地と威信を懸けてプレーし、満員のスタンドは両国の選手たちに声援を送り続けた。
試合は終始、前回4位のアルゼンチンが主導権を握っていたが、終了間際に米国が攻め込むと、会場からは「U・S・A」の大コールが巻き起こり、後半40分すぎのトライで会場の熱気は最高潮に達した。
試合終了後は、スタンドにあいさつにきた両国の選手をたたえる拍手と声援が響き、熊谷最後の試合を名残惜しむように、いつまでも鳴りやまなかった。
大盛況のうちに終えたW杯熊谷開催。熊谷ラグビー場では、13日の日本―スコットランド戦(横浜)のパブリックビューイング(PV)を行う。19、20日の準々決勝についても熊谷市内でPVの開催を検討しており、熊谷中が熱狂した"楕円(だえん)球の祭典"はまだまだ続く。