<台風19号>さいたま市内、全10区の市立小中高校で被害 氷川参道で倒木、停電は4300件発生
2019/10/14/00:00
12日夜に関東地方を通過した台風19号による影響で、県内では鳩山町の女性と東松山市の男性の計2人が死亡したほか、河川の氾濫で大規模な床上や床下浸水などの被害が発生した。越辺川や大谷川などが氾濫した川越市では、浸水した特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」の入居者が一時孤立した後に救助され、近隣の小中学校に移送された。ほかに上尾市の特養など4カ所の介護施設で浸水があり、入居者らは避難した。避難所は13日午前8時時点で63市町村の1076カ所設けられ、3万147人が避難した。
埼玉県防災情報はこちら
■屋根の上で作業中に転落、男性重傷
さいたま市内では、緑区で男性1人が重傷を負ったほか、西区などで床上浸水被害があった。
市防災課によると、人的被害では、12日午前11時15分ごろ、建物1階の屋根の上で作業をしていた緑区の70代男性が転落し、両手骨折と見られる重傷を負った。救急搬送時に意識はあったという。
床上浸水は西、大宮、見沼、中央、桜、南、緑、岩槻各区で計32件。床下浸水は西、北、大宮、中央、桜、南、岩槻各区で計17件あった。
道路冠水は西、北、大宮、見沼、中央、桜、緑、岩槻各区で計38件あり、岩槻区が15件で最も多かった。倒木は西、大宮、見沼、桜各区で計6件。大宮区の倒木は氷川神社参道二の鳥居と三の鳥居の中ほどにあるケヤキ1本で、高さ約20メートル、幹回り約3・9メートル、12日午後10時半ごろに倒れたとみられるという。いずれもけが人はなかった。停電は13日正午時点で西、南、緑各区で計4300件発生した。
公共施設では、全10区の市立小中高校計52校で床下浸水や雨漏り、建物のガラスが割れるなどしたほか、校庭が冠水した学校も複数あった。