埼玉新聞

 

ドトール創業者、人生の教訓語る「誠実と一生懸命は一番大事」 母校の深谷小で講演「和気あいあいの会社」

  • 和やかな表情で5、6年生に語り掛けるドトールコーヒー名誉会長の鳥羽博道さん=深谷市立深谷小学校

 ドトールコーヒー創業者で現在名誉会長を務める深谷市出身の鳥羽博道さん(82)が11日、母校の深谷市立深谷小学校(新井英男校長、児童数492人)を訪れ、5、6年生180人を対象にした講演会で「誠実と一生懸命は大事だよ」と話した。

 鳥羽さんは県立深谷商業高校を中退して上京し、飲食業を経て、ブラジルに1人で渡航。コーヒー園で3年間修業後、24歳でドトールコーヒーを設立している。最近は、渋沢栄一翁のアンドロイドを作るため、深谷市に1億円を寄付している。

 経済界などで講演することが多い鳥羽さんだが、小学校は初めて。自身の少年時代から話した。「5、6年生の時は柔道をやってました。正義感が養え、あとあと、人間関係づくりでも役立ちました。強さと優しさを持てば、いじめをなくせるはず」と説明した。

 人生の岐路になったブラジルでの生活。「現地では弁当を半分ずつ分け合って食べると仲良くなりました。人間関係が学べました」と話した。そして、「ドトールコーヒーは、和気あいあいの会社、真剣に働き互いをたたえあう会社、人のためになる会社を目指してきました」と話した。

 児童たちへのメッセージでは、「一番大事なのは誠実と一生懸命。小さい時に父親から言われた言葉『金の貧乏はしても、心の貧乏はするな』が心の基本になっています」と強調した。

 この日は鳥羽さんの誕生日で、講演会終了後、児童たちが花束と「王冠」を贈った。リコーダーで「ハッピー・バースデー」と演奏。祝った。

 6年生の上田禄済(ろくなり)さんは「誠実と正義感がある人だなあと思いました。生き方を見習いたいです」と話した。

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