埼玉新聞

 

<台風19号>形見やランドセル、思い出の品も廃棄 坂戸・紺屋で住民ら復旧作業「気持ちの切り替え必要」

  • 思い出の品などを処分し、清掃に取り掛かる住民ら=19日午前、坂戸市紺屋

 台風19号による記録的大雨で越辺川が氾濫し、大きな被害を受けた坂戸市紺屋地区。週末の19日、会社員森下雅之さん(47)の住宅で、家族や近所の住民らが一緒に復旧作業を行っていた。

 同地区周辺は13日午前1時すぎから一気に水位が上昇。森下さんの住宅は床下浸水の被害にとどまったが、隣接する木造の倉庫は1メートル近く浸水した。

 倉庫には、親族の形見や子どもの頃に使っていたランドセル、習字道具といった思い出の品が保管されていたが、水でふやけてしまい、思い切って廃棄処分を決めたという。森下さんは「気持ちの切り替えは必要。ここのところ天気にも恵まれず、掃除に苦戦中だが、焦らずに進めていきたい」と話していた。

 同地区の一軒家に1人暮らしをしている吉野みち子さん(87)は、台風19号が上陸した当日、川越市から親族が駆け付けたくれたおかげで、不安なく一夜を過ごせたという。「親族はもちろん、ご近所や市の人にも支えてもらった。これからもここで暮らしていきたい」と笑顔だった。

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