「暑い街」が全力応援…惜敗に落胆も選手らにエール ラグビー埼玉パナ、連覇逃す 熊谷で健闘たたえる企画
ラグビーリーグワンのプレーオフ(PO)決勝が20日に東京・国立競技場で行われ、埼玉県熊谷市を活動拠点とする埼玉パナソニックワイルドナイツがクボタスピアーズ船橋・東京ベイに15―17で惜敗し、連覇を逃した。ファンたちはまさかの敗戦に落胆したが、「いい試合だった」「勇気をもらった」「感動をありがとう」などの声が聞かれた。
■応援バスツアーに希望者殺到
熊谷市と市観光協会は準決勝に続いて決勝も応援バスツアーを開催。15日午前10時から申し込みを受け付けたが、希望者が殺到し、1時間ほどで先着定員200人の枠が埋まった。バスは20日午前11時に県熊谷地方庁舎を出発予定だったが、1時間以上前に市内からユニホーム姿で来た村田茂さん(75)、美代子さん(73)夫妻は「油断すると危ないけど、結果的には勝つと思う」と気合十分だった。
■悔しさにじむも「本当にいい試合」
午後2時35分に試合がキックオフされると、同市小曽根の「ワイルドナイツカフェ」では約10人のファンが集結。大型テレビで試合の行方を真剣なまなざしで見守った。一喜一憂しながら試合を観戦したが、敗戦が決まると、頭を抱えたり、うなだれたりして、信じられない様子だった。
「非常に残念だったが、本当にいい試合だった。ワイルドナイツには普段は見られないミスが多かった」。市内から妻の明香(さやか)さん(37)や長男の洸己君(3)と訪れた栗原俊彦さん(46)は悔しさをにじませた。深谷市から来店した女性(59)は「勝てると信じていて残念だったけど、本当にいい試合を見せてもらったし、ワールドカップでも頑張ってほしい」と選手らにエールを送った。
■相手のほうが戦術が明確だった
同市筑波の駅ビル「アズ熊谷」3階にあるワイルドナイツミュージアムでは、午後4時50分ごろに、埼玉パナソニックの健闘をたたえる「感動をありがとう」のポスターを貼り出した。アズ熊谷のスタッフの内藤真莉さん(28)は「2連覇を期待していたので、準優勝はとても残念。あと少しで勝てたのに…」と悔しそうだった。
アズ熊谷の5階にある鉄板焼き居酒屋「鉄八はっかい」では、テレビで決勝戦が放映され、熱心なワイルドナイツファン6組ほどが観戦した。2連覇を逃すと、ため息が漏れた。来店客と一緒に観戦した同店の中田良一店長(40)は「スター選手が豊富なパナだけに、ファンもすごく多い。決勝を見た感じでは、相手は相当パナを研究している様子がうかがえた。相手のほうが(戦術が)明確だった」と残念がった。
■「感動をありがとう!」特製どら焼きプレゼントも
アズ熊谷を含む市内の大型商業施設ティアラ21、ニットーモール、八木橋百貨店、イオン熊谷店と市内店舗は合同企画「感動をありがとう!」を実施。21日から6月11日まではワイルドナイツオフィシャルTシャツが当たるウェブ応募抽選、28日にはワイルドナイツネーム焼き印入り「特製どら焼き」を各館先着200人限定でプレゼントする。