<川口いじめ>法廷で「法に欠陥ある」と主張の市側、文科省が事情聴取…市側「欠陥ない」と繰り返す
2019/10/25/00:00
川口市立中学校でのいじめを巡り元男子生徒が市を訴えている裁判で、市が「いじめ防止対策推進法に欠陥がある」と法廷で主張した弁論について、文科省が茂呂修平市教育長に説明を求めていたことが24日分かった。
同日行われた市の定例会見で茂呂教育長が明らかにした。教育長は文科省の指導について「言われたことはしっかり受け止めている」と語った。
市は9月18日の裁判の口頭弁論で、「いじめ防止対策推進法は法律として整合性を欠き、欠陥がある」とする準備書面を提出した。
文科省の事情聴取は11日に行われ、市側から茂呂教育長や教育部長らが出席。文科省は生徒指導室長が対応した。
聴取に茂呂教育長は「市として法は尊重し守る考えで、法に欠陥があると述べたのは、日弁連の見解を引用することで分かりやすく説明するために用いた。欠陥という言葉が誤解を与えたことは反省している」と説明したという。
生徒指導室は24日、埼玉新聞の取材に「行政機関として市教委は法令を誠実に守る立場。法に欠陥があると主張することは、(いじめの防止という)法令を運用する際の実効性に疑いが出るため、改めて真意を聞く必要があった」と話した。
同室は「日弁連が(法に欠陥ありと)主張するのと、市が主張するのでは意味が違う。真意を何度も繰り返して尋ねたが、『欠陥があるとは考えていない』と同じ答えを繰り返したので、教育長の言葉として受け止める。今後の対応を注意して見ていきたい」とした。