埼玉新聞

 

佐藤優さん、母校・浦和高で「強い人間」になる秘訣語る 集まった小学生の保護者に刺激 進路選択の参考に

  • 小学生の保護者に笑顔で語り掛ける佐藤優さん=さいたま市浦和区の県立浦和高校

 県立浦和高校(さいたま市浦和区、小島克也校長)OBで作家の佐藤優さんが「浦和高校への誘い(いざない)~本当に強い人間になるために~」を演題に、小学生の保護者向けに講演した。講演の中で佐藤さんは、本当に強い人間になるためには、多様な人と関わることが必要であると話した。

 佐藤さんは大宮市(現さいたま市大宮区)で育ち、1978年に同高を卒業。勤務した外務省では対ロシア外交の最前線で活躍した。

 講演会は「浦和高校への誘い(いざない)」がテーマだったものの、同校への進学のみならず、子供の進路選択の参考にしてほしい、と企画された。

 佐藤さんは、公立中高での多様な人たちとの出会いは、社会に出てからも補って余りあるほど有効で、真の強さを伴った人間関係への対応力が養われると強調。

 一方、中高一貫の合理的なプログラムについても、現状の実例を挙げながら「小学生の保護者である皆さんが、子どもの人生を変える。長期的な視野で(成長を図るための)戦略を立てることが大切」と述べ、親の関わり方の重要性を訴え掛けた。

 また、その後の質疑応答において、偏差値のように数字で測れない論理的な思考や教養の力を培うためには、読書や新聞の閲覧が欠かせないと語った。

 この日の司会は、浦高時代の同期で友人の富田聡教諭が担当。ユーモラスなエピソードを交えた紹介内容に満員の会場から笑いが起こる中、佐藤さんも母校の講演ならではの、リラックスした表情だった。

 さいたま市見沼区から参加した小山珠実さん(46)は、「幅広い経験と知識に裏打ちされた内容で、刺激を受けた」と充実の様子。戸田市の竹内知則さん(49)は、小5の長男と共に聴講した。秀一郎君(11)は「難しい部分もあったけれど最後まで聞き終えて、すごい人だなと思った」と、目を輝かせていた。

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