埼玉新聞

 

遺体の異臭で騒ぎに…深谷3遺体事件、男が認める 遺体包んだブルーシートは「パッと隠せて運べるから」

  • 3人の白骨遺体が見つかった木造平屋の借家=2018年2月5日午後5時20分ごろ、深谷市萱場

 深谷市の住宅敷地内で昨年2月、ブルーシートに包まれた男性3人の白骨遺体が見つかった事件で、3人の遺体を深谷市の借家まで運び遺棄したとして死体遺棄などの罪に問われた、住所不定、無職の男(52)の公判が29日、さいたま地裁(田尻克已裁判長)で開かれ、男は起訴されている窃盗や詐欺、死体遺棄などの罪について「間違いありません」と起訴内容を認めた。傷害、監禁罪については否認した。

 被告人質問で男は、群馬県伊勢崎市や東京都板橋区のアパートから遺体を運搬し、寄居町や深谷市の借家に転居した経緯について、「遺体からの異臭で騒ぎになったり、金銭的な余裕がなくなったので、より安い家賃のところに住んで節約しようと思った」と説明。板橋区のアパートで同居していた男性2人の死亡を届け出なかった理由については「死亡に関与していると思われると考え、関わりたくなかった」、もう一人の男性の死亡も「すでに2人の遺体があるのに、今さら届け出はできなかった」と述べた。

 検察側に遺体をブルーシートに包んで運搬した理由を問われると、「パッと隠せて包んで運べる物はそれしかなかった」と答えた。深谷市の借家に転居後、3人の遺体を敷地内の庭に遺棄したことは「部屋を片付けてから室内に入れようと思っていた」と述べた。

 起訴状などによると、男は2016年3月ごろ、長島康雄さん(66)の遺体を群馬県伊勢崎市のアパートから、佐藤正松さん(79)、八杉智さん(41)=いずれも当時=の遺体を板橋区のアパートから寄居町の借家に運搬。17年4月下旬~5月上旬ごろには、3人の遺体を深谷市の借家に運び、遺棄したなどとされる。

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