川越高、春日部高が創立120周年 野球部同士が記念試合 応援部、吹奏楽部、卒業生も駆け付ける
県立川越高校と県立春日部高校の学校創立120周年を祝う、両校野球部による記念試合が4日、川越市の初雁公園野球場で行われた。地元の川越高校からは応援部や吹奏楽部もスタンドに繰り出し、多数の卒業生も駆け付けた。両校野球部による記念試合は創立100周年以来、20年ぶり。
川越高校は1899(明治32)年、県第三尋常中学校として開校した。野球部は1901年に創部している。春日部高校は県第四尋常中学校として開校し、野球部は02年に創部した。両校とも文武両道を追求し、川越高校野球部は31年春、59年夏に甲子園に出場している。
この日の記念試合は川越高校の呼び掛けで実現した。同校卒業生でもある紫村英敬監督(37)が弔事のため欠場し、監督代行の林岳彦部長(57)は「創立120年という伝統校の責任を感じている。野球を通じ、立派な人材を育成したい」と語った。
母校の春日部高校で指導する添野光太監督(36)は「同じ男子校同士、男らしさを出して、ともに頑張っていきたい」と話した。
紫緑の応援団旗がはためく、三塁側の川高応援席は公式戦さながらの盛り上がり。
夏の甲子園に出場した野球部ОBの杉田文男さん(78)は「われわれが甲子園の土を踏んだのは創立60周年の年。あれから、さらに60年とは時の流れを感じる」。声援を送っていた飯田敦校長(59)は「120周年を迎えられ、両校でこうして高校野球ができることは喜ばしい」と述べていた。
一塁側の春高応援席。野球部保護者会の川原正順会長(50)は「子どもたちはわずか3年の高校生活だが、120年の伝統をつなげていかないといけない。両校が切磋琢磨(せっさたくま)し、いつの日か夏の大会決勝で大応援の中、やりましょう」と笑顔をみせていた。
レギュラーメンバーが出場した試合は延長十回の末、3―3の引き分け。川高の山下遼一主将(17)は「記念試合が実現し、関係者に感謝したい。これから自分たちが川高の歴史を紡いでいく」。春高の加藤丈琉(たける)主将(17)は「次に試合をした時は自分たちが勝ち越す」と意気込んでいた。