埼玉新聞

 

イオン入る巨大施設“越谷サンシティ”整備計画を見直し 29年度オープン予定 今後10年で整備する施設多数

  • 越谷サンシティの商業棟=越谷市南越谷

    越谷サンシティの商業棟=越谷市南越谷

  • 越谷サンシティの商業棟=越谷市南越谷

 越谷市は29日、建て替えを予定していた複合施設「越谷サンシティ」(同市南越谷)の整備基本計画を一部見直すと発表した。公共施設など入るホール棟を大規模改修にとどめ、商業棟のみ解体する方針。財政負担抑制などが主な理由という。新施設は従来通り2029年度の開業見込み。

 市は21年、民間活力を生かして現施設を全て建て替える整備基本計画を策定した。しかし、長引くコロナ禍やウクライナ情勢による建設資材高騰を受けて昨年5月、計画の1年延期を決定した。

 今回の見直しでは、ホール棟を大規模改修、商業棟を解体の見込み。市の試算では、建設までの初期費用が約320億円(当初)から約150億円に半減し、20年間の維持管理など含めた費用も約390億円(同)から約220億円に抑えられるという。

 1979年オープンの越谷サンシティは、約2千席の大ホールや出張所などを有するホール棟と、イオン南越谷店など入る商業棟で構成される。市が公共施設部分、第三セクターが商業施設部分をそれぞれ管理していた。2020年に同セクターの撤退後、市が約2万平方メートルの土地と施設を全て所有している。

 JR南越谷駅と東武線新越谷駅から近いこともあり、市民に長年親しまれてきた。しかし施設の老朽化に加え、隣駅に08年開業したイオンレイクタウンに客足を奪われ、再開発が検討されてきた。

 今回の見直しに伴い、現施設は26年度まで使用でき、その後2年かけて整備に着手。29年度オープンを目指す。6月12日からはパブリックコメントも予定する。

 福田晃市長は「市立病院(1976年開院)をはじめ、小中学校などほぼ同時期に建設し、少なくともこの先10年以内に整備に着手しなければならない施設が多く存在する」とし「大きな財政負担を生じさせることに強い危機感を持ち、総合的に勘案した」と説明している。
 

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