埼玉新聞

 

あわや惨事…重さ100キロ超のコンクリ落下、駅西口デッキ使用禁止 今まで専門家の検査をしなかった理由

  • 一部使用が禁止され、応急処置が行われるデッキ通路=久喜市中央1丁目の久喜駅西口

    一部使用が禁止され、応急処置が行われるデッキ通路=久喜市中央1丁目の久喜駅西口

  • 一部使用が禁止され、応急処置が行われるデッキ通路=久喜市中央1丁目の久喜駅西口

 JR・東武久喜駅西口の歩道デッキの老朽化が進みコンクリート片が落下するなどの事案が起きていることから、管理する埼玉県久喜市がデッキの一部使用を禁止し、検査していることが分かった。

 デッキは1990年に完成。幅3~4メートル、長さ約130メートル。駅西口出口から商業施設2階への通路として活用されている。整備から30年超が経過、老朽化が進んでいた。

 今年3月、デッキを支えるコンクリート片の一部が落下。大きさからコンクリート片は重さ100キロを超えるとされ、あわや惨事となる事態を招いた。

 市都市整備課は、本年度予算で検査費用244万円を計上。「老朽化が進んでいたので、道路法に準じた形で保守点検をやろうと計画していた矢先だった」とする。

 市によると、歩道橋を含む道路橋は、道路法に基づく定期点検要領に沿って5年に1回の頻度で検査が義務付けられる。久喜駅西口のデッキは駅前広場に付帯する施設で道路法の対象に当たらず。市はこれまで専門家による検査を実施してこなかった。

 市は破損箇所の断面を補修するなど応急処置を実施。予算に計上した検査を9月までに終え、結果を踏まえ、デッキの補修や整備などを進める方針。
 

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