埼玉新聞

 

おくのほそ道の風景地・草加で「こも巻き」 薬剤使わず634本の松の木守る、伝統的な害虫駆除

  • こもを丁寧に巻き付ける従業員ら=8日午前、草加市の草加松原遊歩道

 立冬の8日、草加市の国指定名勝「おくのほそ道の風景地 草加松原」で、害虫から市のシンボルの松の木を守る「こも巻き」作業が行われた。草加松原の遊歩道は長さ1・5キロの両脇に634本の松の木が植えられ、観光名所として多くの人が訪れている。

 「こも巻き」は、松の木の天敵であるマツクイムシやマツカレハなどが枯れ葉の中で越冬する習性を利用した薬剤を使わない伝統的な害虫駆除方法。わらでできた「こも」を巻き付けることで、虫を誘い込み、3月の啓蟄(けいちつ)の頃に焼却する。

 この日は、同市遊馬町の造園業「イワナガ」の従業員ら7人で巻き付け作業を開始。社長の岩永正次さん(69)は「今年は台風15号、19号などで枯れた松の葉が飛ばされ、害虫も少ないのではないかな。松の木が青々しい」と話す。作業は9日で終了する予定という。

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