妻殺害、夫認める 娘病死で困窮、心中決意し殺害 弁護側「娘婿との不仲など疲弊した妻を楽にさせるため」
2019/11/12/00:00
幸手市の住宅で昨年、妻の首を絞めて殺害し、自宅に火を付けたとして、承諾殺人と現住建造物等放火の罪に問われた、幸手市緑台1丁目、無職の夫(78)の裁判員裁判の初公判が11日、さいたま地裁(石井俊和裁判長)で開かれ、夫は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると。夫は1997年に自宅を購入後、妻や娘夫婦、孫らと同居を開始。年金収入と娘からの入金で生計を立てていたが、2015年に娘が病死すると、徐々に生活に困窮。妻が「死にたい」と話し、自身も将来を悲観し、心中を決意し殺害したとされる。
検察側は「首を絞め続ける行為は確定的殺意に基づき、意思決定は相応の非難に値する」と主張した。
弁護側は「経済的困窮や娘婿との不仲で疲弊した妻を楽にさせるためだった」と指摘。被害弁償がされている点などを考慮して、執行猶予付き判決を求めた。
起訴状などによると、夫は18年12月11日、幸手市の自宅で、妻トヨ子さん=当時(72)=の首を絞めて殺害。リビングや和室にシンナーをまいて火を付け、窓枠などを焼損させたとされる。