埼玉新聞

 

<高2刺傷>ひとまず安心…近所の住民ら安堵 被害家族と交流の町内会長「いつでも戻ってきて」

  • 現場付近は規制線が敷かれ、警察による捜査が行われていた=7月16日正午ごろ、蕨市北町1丁目

 蕨市で7月に高校2年の男子生徒(17)が自宅に侵入してきた男に切り付けられた殺人未遂事件で、県警は15日、強盗殺人未遂と住居侵入の疑いで、中国籍の住居不定、無職の男(22)=道路運送車両法違反罪などで公判中=を再逮捕した。「車を奪うために他人の家に入ったことは間違いない」と供述し、「殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認しているという。

 蕨市の高校2年の男子生徒が切り付けられた事件で、男が15日、強盗殺人未遂容疑などで県警に逮捕された。近所の住民らは「ひとまず安心した」と話した。

 50代主婦は「事件からだいぶ期間が空いたから、このまま捕まらないのではと不安だった。もやもやしていた気分が晴れた」と安堵(あんど)していた。高校3年の男子生徒(18)は「事件以来、夜道を歩く時は少し怖かった。ひとまず安心した」と話した。

 被害に遭った家族と交流がある蕨市北町の町内会長、高義雄さん(73)によると、事件後の9月ごろ、被害者の夫婦が「まだ、帰れそうにありません。ご迷惑をお掛けしてます」と高さん宅にあいさつに来たという。事件が一段落し、高さんは「お子さんの傷が完全に癒えたら、いつでも戻ってきてほしい」と話した。

 近隣の小中学校に登校時の見守り活動強化を呼び掛けてきた蕨市教委は「犯人が捕まっても、全てが安全になったというわけではない。今後も各学校や保護者、警察などと連携し、安全確保に努めたい」としている。

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