「いだてん」こと金栗四三ら、高崎線で箱根駅伝開催を討議 構想発祥の地、鴻巣駅で百周年セレモニー
2019/11/17/00:00
箱根駅伝構想百周年セレモニーが15日、構想発祥の地とされる鴻巣市の鴻巣駅東口で行われた。
箱根駅伝の始まりは、100年前の大正8(1919)年11月15日、鴻巣近辺で行われた運動大会の審判として、東京から招待された「いだてん」こと金栗四三ら、当時陸上界エースたちが移動中の高崎線車内での討議がきっかけとされ、駅伝好きの間では知られている逸話。ただ、現時点では資料に乏しく、大会開催場所、大会規模など不明な部分も多い。
日本陸上の転機に関わった地元の歴史が埋もれるのを憂えた鴻巣市観光協会の栗原俊也さん(56)が資料調査を続け、今年1月に金栗四三の出身地の熊本県にある玉名歴史博物館に保存されている金栗本人の日記を閲覧。11月15日の日記に、吹上駅から埼玉村(現行田市)の会場に赴いたこと、大会の様子、帰路に鴻巣駅で乗車し駅伝開催を討議したことが記されており、その確証性を得ることで式典の開催につながった。
「まだ調査することは多いが、鴻巣駅が『箱根駅伝 構想の列車 出発の駅』なのは確実」「駅利用者にその歴史を知らせる記念モニュメントを、将来的には駅に設置できれば」と栗原さん。今後も資料を探したいと意気込む。
セレモニーには当時金栗らを審判として招待した山口六郎次氏(明治大学・第1回箱根駅伝走者)の孫や近隣の陸上競技会、鴻巣市役所関係者も参加した。