500人超が避難の自治体も…埼玉県、越谷など3市町に災害救助法適用 越谷・南荻島地区では総雨量300ミリ超
2日から3日にかけて強い雨をもたらした台風2号や前線による影響で、埼玉県内では越谷市など計7市町に64カ所の避難所が設置された。3人が軽傷を負い、戸田市などで床上浸水が3件、草加市などで床下浸水が14件報告された。県は3日午前に大野元裕知事を本部長とする災害対策本部を設置し、草加市と越谷市、松伏町に災害救助法を適用することを決めた。
県は2日午後に情報連絡室を設置し、情報収集している。避難情報は、警戒レベル4避難指示が松伏町、越谷市、川口市、吉川市、さいたま市、八潮市、三郷市、草加市、朝霞市に出された。3日午後5時でいずれも解除された。
3日昼の対策本部会議後に取材に応じた大野知事は、災害救助法の適用について「生命、身体への被害の恐れが発生している」と説明。避難状況などが2015年に発生した災害の規模に近いとして「市町村が情報を得ている以上の被害の可能性があると懸念している」と述べた。
自衛隊への災害派遣要請や、被災地への応援職員の派遣は行っていないとしつつ、「迅速に対応する用意はあるが、まだ被害全体が見えていない。まずは市町村と連携して的確な情報を把握したい」と強調した。
■越谷の浸水被害視察「正面から取り組む」
大野知事は3日午後、豪雨で大きな被害を受け、災害救助法の適用を決めた越谷市の浸水被害現場を視察した。福田晃市長らから被害状況の説明を受けた大野知事は「国・県・市がしっかりと手を携え、正面から取り組んでいく」と述べた。
大野知事は、通行止めとなった南荻島地内の元荒川に近い国道4号の冠水箇所を訪問。被害状況をつぶさに確認した後、地域住民からも聞き取り、復旧に向け迅速に対応する考えを示した。
県や同市によると、3日朝までに市内約30カ所の避難所に500人以上が避難し、南荻島では総雨量が300ミリを超えたという。福田市長は「大野知事がすぐに現場を視察してくれたことに危機管理の強さを改めて感じた。早い段階で県が災害救助法の適用を決定してもらったのはありがたい」とし、今後も県と連携を密に対応していく考えを示した。