自転車で1日150キロ走る川越工高2年女子、自転車アジア選手権で銅メダル 得た自信でさらなる飛躍へ
インドネシアのジャカルタで今月中旬に開かれた自転車のアジア選手権大会で、県立川越工業高校(川越市)自転車競技部の飯田風音選手(17)=2年生=が、女子ジュニアスプリントで銅メダルを獲得した。高校入学後に始めた競技でつかんだメダル。そこで得た自信を胸に、さらなる飛躍を誓う。
飯田選手は昨年8月、静岡県で行われたインターハイのケイリンで優勝。その後の選考でアジア選手権の女子ジュニアトラック短距離の日本代表に選ばれた。
同大会では3種目に出場。最初の500メートルトライアルは4位で惜しくもメダルを逃したが、2種目のスプリントで見事に銅メダルを獲得。最後のケイリンも7位入賞を果たした。
スプリントの1、2位は中国の選手。「パワー負け。でもやることはやったので、メダルにつながった」。得意のケイリンは「日本のレースは最初はスローぺースだが、アジア選手権は最初からハイペースだった」と反省点も口にする。
自転車競技で結果を残したが、最初に始めたのはスケートだった。小学5年生からスケートを始め、国体やインターハイにも1000メートルと1500メートルの県代表として出場。進学した同校では「スケートに生かせれば」と自転車競技部に入部し、スケートとの掛け持ち生活が始まった。
夏場は自転車が中心で、冬場の平日はスケートと自転車を一日置きに練習。土、日曜日は東松山やときがわ、東秩父、寄居方面の山道を走行し、一日150キロは走る。「スケートで培ったバランス、体幹が自転車競技にも生かされている」という。
父親の威文さん(47)は現役の競輪選手。母親の香里さん(47)は元実業団のスケート選手で、自転車でもアジア選手権大会のポイントレース(長距離)で金メダルを獲得している。
これまではスケートか自転車競技かで迷っていたが、今回の銅メダル獲得で新たな目標がはっきり定まった。「高校卒業後は競輪学校に入って、プロの競輪選手になりたい。将来は五輪も目指したい」。もっとも、在学中は「掛け持ちを続けます」と笑顔を見せた。