埼玉新聞

 

プロランナー・川内優輝選手「自分で考えた行動が大切」 五輪・パラ教育推進校に指定の高校で講演

  • 自らの競技人生で得たことを高校生たちに語り掛ける川内優輝選手

 杉戸町の県立杉戸高校で21日、久喜市出身のプロランナー川内優輝選手を招いて講演会が開催された。在校生など約千人の参加者を前に、川内選手は「何かのきっかけで人生は変わる。日頃から多角的な視点を養い、自ら考え、やり抜くことが大切」と熱く語った。

 杉戸高校は今年度のオリンピック・パラリンピック教育推進校に指定され、講演会は事業の一環。川内選手は自らの競技人生を振り返り、「がむしゃらに頑張っていた時期はけがに苦しみ、努力がなかなか報われなかったが、思考を変え、めりはりのある練習に切り替えたら、けががなくなり記録も伸びた。指示されたことだけをうのみにするのではなく、自分の頭で考え工夫して行動することが大切」と話した。

 市民ランナーとして活躍し、国内外の大会から参加するようになると、周囲からさまざまな忠告を受けるようになった。しかし自らのやり方を貫き、挑戦し続けた結果、大きなステージへの道が開け、グローバルな人脈を築くことに繋がったという。

 「自分が正しいと思うことは貫けば、オンリーワンの存在としてチャンスが広がる」と川内さん。「辛い練習でも自分の楽しみを見つけ、視点を変えて取り組むことで効果が得られる。何より楽しむことが重要」と述べた。

 杉浦正和校長は「今日の学びを自分の中で生かして頑張ってほしい」とあいさつし、3年生の和久晴香さん(18)は「大変な状況に直面しても自分だけと思わず、視点を変えて取り組んでいこうと思った」と話していた。

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