<豚コレラ>事前説明なく埋却…飼料や作業員の防護服など 住民が不安 下に水源、土砂崩れ起きやすい場所
2019/11/25/00:00
9月13日、秩父市の農場で飼育豚が豚コレラ(CSF)に感染、753頭が殺処分され、農場の堆肥などの「残物」が、東秩父村にある県秩父高原牧場の一角に埋却処理したことについて、県は24日、村保健センターで住民説明会を開いた。住民からは「埋めた物がいつ出てくるか不安」などの声が上がっていた。
住民によると、9月15日、役場から「県から豚コレラの残物を牧場に埋めた」との連絡があったが、「事前通告もなく突然で、詳細を明らかにしてほしい」と住民説明会を要望。この日は9月22日の説明会に続いて2回目で、県幹部らが出席して説明した。
県によると、埋却処理したのは「農場の豚の堆肥や飼料、500人の作業員が着た防護服や長靴、ゴーグルなどで、フレコンバッグ252個を埋めた」と説明。
埋却地が東秩父になった理由については「当初は秩父の農場内に埋める予定だったが水道菅が出てきた。周辺で探したがなかったため、県有地の牧場になった」という。
住民からは「埋めた下方には水源があり、生活水として使っている家もあり、汚染されないか心配だ」「周辺は土砂崩れが起きやすい不安定な場所、なぜ埋めたのか」「掘り起こしてほかの場所に移動できないか」などの質問や要望が出た。
県側は「事前の説明ができなかったのは反省している」と述べたが、掘り起こし、移転は「考えていない」、水源については「定期的にモニタリングをして対応したい」などと説明した。
住民の一人は「(期待したが)納得できる内容ではなかった。何が埋まっているのか。記録写真もないというので、(疑問は)拭えなかったし、埋めた物がいつ出てくるか不安」と話した。