埼玉新聞

 

女子中学生2人、誘拐される事件も SNSを利用、犯罪被害に遭う子ども大幅増 県警、注意を呼び掛け

  • 埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 県内で今年1~6月、出会い系を除く会員制交流サイト(SNS)を利用して犯罪被害に遭った18歳未満の子どもは109人で、昨年同期から61人(127・1%)増と大幅に増加したことが29日までに、県警のまとめで分かった。年間の過去最多だった昨年の126人に6カ月で迫る情勢。今月には、SNSで家出願望を書き込んだ中学生の少女2人が誘拐され、本庄市の住宅で発見される事件も発生しており、県警は安易なSNS利用による被害に注意を呼び掛けている。

 県警少年捜査課によると、被害の罪種別では児童買春・ポルノ禁止法違反のうち児童ポルノが58人(53・2%)、県青少年健全育成条例違反が37人(33・9%)、児童買春が9人(8・3%)で合わせて約95%を占めた。他に児童福祉法が1人、重要犯罪では強制性交が3人、略取誘拐が1人だった。

 学識別では中学生が53人(48・6%)、高校生が46人(42・2%)で合わせて約9割を占める。他は小学生と無職少年が4人ずつ、有職少年と専門学校生が1人ずつ。SNSの種類別では判明している限りで「ツイッター」が31人と最多だった。

 また、県警が摘発した児童ポルノ事件は昨年同期比67件(121・8%)増の122件、被害に遭った18歳未満の子どもは同48人(137・1%)増の83人で、いずれも大幅に増加した。被害内容では自画撮り被害が37人(44・6%)と最多だった。摘発の態様別では子どもの裸を撮影する「製造」が最も多い108件で88・5%を占めた。同課は「一生懸命捜査した結果、摘発件数が増えた」としており、潜在的に多くの被害があるとみられる。

 福祉犯全体の摘発件数は昨年同期比95件(59・4%)増の255件で、児童買春・ポルノ禁止法違反と県青少年健全育成条例違反で9割を占めた。被害に遭った子どもは同39人(27・3%)増の182人だった。

 同課は「SNSは不特定多数の人が使っており、やりとりする相手がどこの誰か分からないことも多い。少年少女を性犯罪の対象として見る者もいるので危険性を認識し、十分に気を付けてほしい」としている。

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