大宮駅で倒れた男性救命 発見の女子高生、脈を確認…付近にいた県議らが応急手当 大宮消防署が感謝状
2019/11/30/00:00
さいたま市大宮区内で発生した救急事案に対して適切な応急手当てを行ったとして、同市大宮消防署は28日までに、春日部市の県立上尾高校2年川上結衣さん(17)と鴻巣市の県議会議員並木正年さん(49)、川崎市宮前区の元衆院議員三谷光男さん(60)の3人に感謝状を贈った。
同消防署などによると、ことし8月20日午後0時半ごろ、川上さんはJR大宮駅東口の階段踊り場に倒れている男性(45)を発見。川上さんは男性に意識と脈がないことを確認すると、周囲に協力を求めた。
同日、知事選候補者の選挙運動支援の関係で同所付近にいた並木さんと三谷さんは状況に異変を感じ、踊り場へ。複数人で男性を階段下まで運んだ後、並木さんは胸骨圧迫を開始するとともに、「AED(自動体外式除細動器)を持ってきてください」と指示した。三谷さんが駅の改札に急いで向かいAEDを借り、駅員に状況を伝えた。
三谷さんは現場に戻ると、男性にAEDパットを装着し、並木さんが除細動の操作を実施。救急隊到着時に男性は脈拍が確認できる状態に回復していたが、病院に搬送され、現在の容体は良好という。
同消防署の小野崎伸一署長は「迅速で適切な対応により、傷病者を危険な状態から回復に向かわせ、尊い人命が救われたことに感謝するとともに、勇気ある行動に対して敬意を表する」と感謝した。
地元消防団に所属する並木さんは、この数日前に救命講習を受けたばかりだった。並木さんは「無我夢中でちゅうちょなく対応できた。男性の年齢が45歳と聞いて、これからの若い人なので本当によかった」と安堵(あんど)した。
26日に上尾高校内で感謝状を受け取った川上さんは「無我夢中で体が動いていた」と話したという。