漆黒の闇に幻想的な光の玉が揺らめく。14日午前1時ごろ、小雨の降る埼玉県秩父市下吉田の竹林で、ヒメボタルの乱舞が見られた。
県生態系保護協会によると、ヒメボタルは、雑木林や竹林などに生息する日本固有の陸生ホタル。幼虫はカタツムリ類などを食べ、深夜に光りのピークを迎えるのが特徴という。飛翔するのは雄で、雌は後翅(こうし)が退化し飛ぶことができない。県レッドデータブックでは、絶滅危惧II類に指定され、秩父や飯能市など限られた地域に生息している。
ヒメボタルの発生ピークは5月下旬から6月上旬。ゲンジボタルやヘイケボタルより短く、本格的な夏の訪れを前に「恋の季節」が終わる。