埼玉新聞

 

川口市議会、議長が発言削除を命令 市議3人、命令の取り消しを要求「市民の意見も削除になる」

  • 川口市役所=川口市青木

 川口市議会の「川口新風会」の木岡崇代表ら市議3人が31日、市内で記者会見し、関口京子議長に対し、昨年12月定例会で同議長が同会派の碇康雄市議が行った一般質問の一部の議事録からの削除を事務局に命じた「削除命令」の取り消しを求める申し入れを行ったと発表した。回答期限を8日とした。

 碇市議は一般質問で、市が進める美術館構想に触れ、独自に行った市民アンケートの結果を示し「大多数の市民が計画を知らないのが現状で、市民の理解が進んでいる現状ではない」などと指摘した。

 この発言に対し自民の杉本佳代市議が「アンケートの信ぴょう性についてはっきりせず」などとして「碇市議の発言の取り消しを求める動議」を出し賛成多数で可決。関口議長が職権で「削除を命じる」と宣言した。公式議事録は2月定例議会の初日(8日)に、会議録署名議員3人が署名すれば公式議事録となる。

 申し入れ書は「(削除命令に至る)審査が十分な事実に基づいたものではなく、碇議員の発言取り消しは、議員の自由な発言が広く認められるという、議会制民主主義の原則から大きく外れ、不当である」としている。

 会見は新風会の木岡代表、碇市議、矢作太郎市議が出席し「アンケートに協力してくれた市民の意見も削除されたことになる」などと訴えた。

 この件では、共産党市議が行った反対討論の一部についても自公市議らの賛成多数で発言の削除命令がなされ、「議員の発言の自由をどう保証するのか」と議長宛ての文書で抗議の意思を表明した。

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