夢かなえる舞台は無数…秩父から米へ、NFLダンサー・筒江さん 新人賞も獲得「これからも成長していく」
埼玉秩父市出身のダンサー筒江瑠奈さん(24)が、米プロフットボールNFLの「ダラス・カウボーイズ・R&Bダンサーズ」の新人賞に輝いた。地元でダンスを学び、NFLダンサーオーディションに昨年合格。ダラス・カウボーイズの本拠地テキサス州などでキレのあるダンスを披露し、ファンとともに試合を盛り上げた。筒江さんは「米国の四大プロスポーツに携われて誇りに思う。夢をかなえる舞台は無数にあるということを、みんなに知ってほしい」と話している。
筒江さんは6歳の時に、地元ダンスチームのパフォーマンスに魅了され、秩父市大野原のダンススタジオ「スタジオフィッツ」に通い、講師の野口菜美さんの指導でジャズダンスやバレエを学んだ。9歳の時、市のイベント親善活動の一環で、韓国江陵市の芸術祭に参加。その後、2018年の平昌五輪オープニングセレモニーに出演するなど、海外舞台を数多く経験した。
「もっと活動の場を広げ、ダンスの可能性を追求したい」と、県立秩父高校を卒業し、埼玉女子短期大学(日高市)に進学後、アルバイト先のチアリングインターナショナル(東京都豊島区)で、NFLダンサーの存在を知った。同社社長の中山麻紀子さんはNFLの元チアリーダー。「社長にアドバイスを受け、こんなに面白い世界があるのだと感動した」
NFLダンサーオーディションは計2回挑んだ。オンラインで行われた20年のオーディションでは、応募200人以上の中からファイナリストに残ったが、コロナ禍などの事情でやむなく辞退。再挑戦のため、22年6月に渡米し、約2カ月間の厳しい審査を経て、合格した。
R&Bダンサーズのメンバーは現在11人。筒江さんは日本人唯一のダンサーとして、昨年9月のNFLシーズン開幕から参加し、カウボーイズのスタジアムやファン交流イベントで、ヒップホップやアクロバットダンスなどを披露した。
才能を開花させた証しとなる新人賞に、筒江さんは「海外進出に向けて、高校の時から英語を勉強してきたので、チーム内のコミュニケーションはばっちり。子どもの頃から多くの経験を積ませてくれた両親や野口先生のおかげ」と声を弾ませる。
R&Bダンサーズは1年契約。筒江さんは現在、シーズン2年目に向けてオーディションの準備を進めている。「NFLには40代のチアリーダーもいるので、ダンスは年齢国籍問わず、自分の可能性が無限に広げられる世界だと実感した。これからも米国のエンターテインメントに触れ、一歩ずつ成長していく」と、将来を見据えている。